はじめに
コロナ禍の影響をはじめ、地方の大学に在学中の学生や海外の学生との間でも採用の機会を増やそうと、新卒採用をオンラインに切り替える企業が増えてきました。
もっとも、実際に会わないことに対する不安やオンラインでうまく面接ができるのかを心配する企業も少なくありません。
ここでは、新卒採用のオンライン化で起こった失敗例、新卒採用のオンライン化による成功事例を紹介しつつ、オンライン採用を成功させるための3つのポイントをご案内します。
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例
オンライン採用を成功させるためのポイントを知るうえでは、まだ、始まったばかりで実例も少ないため、実際に行ってみて失敗した例から、学習をすることも必要です。
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例で多く見られた事例として、「Wi-Fiの電波が悪く、まともに話すことができなかった」、「電気が暗く、印象が悪く見えた」、「オンラインと実際に会ったら全然違かった」の3つを見ていきましょう。
Wi-Fiの電波が悪く、まともに話すことができなかった
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例の一番多い事例が、Wi-Fiの電波が悪く、まともに話すことができなかった点です。
これは、企業側の事情のこともありますが、多くは学生側の事情です。
とはいえ、学生を責めるわけにもいきません。
収入もなく、突然としてオンライン面接を迫られるようになった学生に、高品質で高性能なWi-Fiやネット環境を、費用をかけて整えなさいとはいえないからです。
そのため、オンライン面接を行ううえでは、電波状態が悪くなった時の代替手段を講じておくことが欠かせません。
電波が悪くなったら、電話対応に切り替えるなど、最初から代替手段をお互いに用意したうえでオンライン面接に臨みましょう。
電気が暗く、印象が悪く見えた
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例として、電気が暗く、印象が悪く見えたという点が挙げられています。
これも、学生さん側の事情になるので、電気を明るくしろ、環境を整えてと言うのは難しいものがあります。
部屋の照明やパソコンやスマホを置いている位置のせいもあれば、カメラの感度などの問題もあるでしょう。
学生さんの中には、こうした現象に気付いており、印象を良くしようと、背景を白くしたり、照明の角度などを変えたり、普段よりワントーン明るいファンデーションや口紅を付けるという女子学生もいます。
もっとも、実際に会えば印象も良く、面接の内容も問題ないのに、オンラインでの印象の悪さで落としてしまうのはもったいないです。
履歴書の写真やメールで写真を貼付してもらうなど、きれいに撮影された写真もあわせて確認してあげましょう。
オンラインと実際に会ったら全然違かった
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例として、最も難しい問題が、オンラインと実際に会ったら全然違かったケースです。
オンラインのみで採用を完結させていたところ、実際に会った時の雰囲気がオンラインとオフラインで全然異なり、採用のミスマッチにつながったという話があります。
もっとも、実際に対面で面接をしても、面接時と入社後のイメージがまったく違ったというケースは少なくありません。
このミスマッチ問題をクリアするには、面接の内容を濃くし、さまざまな質疑応答を行うことや相手の考え方などをしっかり掘り起こすことが大切です。
新卒採用をオンラインで成功させるテクニック
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例への反省と見直しも踏まえ、新卒採用をオンラインで成功させるテクニックとして、3つのポイントをご紹介していきます。
その3つとは、「ネット環境を整える」こと、「オンライン面接以外の評価も考える」こと、「オフラインも同時に活用する」ことです。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ネット環境を整える
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例で多く見られた事例として、「Wi-Fiの電波が悪く、まともに話すことができなかった」という例は極めて多いです。
それを解決するためにも、新卒採用をオンラインで成功させるテクニックで重要になるのが、ネット環境を整えることです。
少なくとも、企業側のネット環境はしっかり整えておきましょう。
中には、企業側も、在宅で面接を行うケースもあるかもしれません。
個人のネット環境は学生さんと同じで、品質が悪いケースもあります。
電波が悪いとコミュニケーションが取れないので、会社から費用を得て、高性能なネット環境を整えるなどしておきましょう。
一方、学生側の環境は調整できないため、学生の電波が悪い場合は「電話」も活用できるよう、代替手段を互いに準備したうえでオンライン面接を行うようにします。
オンライン面接以外の評価も考える
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例で多く見られた事例として、「電気が暗く、印象が悪く見えた」、「オンラインと実際に会ったら全然違かった」との話も多いです。
そのため、新卒採用をオンラインで成功させるテクニックとして、オンライン面接以外の評価も考えておくことが必要です。
対面の場合、いかに想定問答集を作っていても、頭の中にしか納められません。
これに対して、オンラインでは学生側でカンペの準備などもできてしまい、パソコンの前に置いた原稿を読んでいるケースもあります。
台本のやりとりだけでは、ミスマッチにつながりやすくなります。
そのため、アンケートやワークなど面接以外の判断基準も取り入れるのがおすすめです。
オフラインも同時に活用する
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例の「電気が暗く、印象が悪く見えた」、「オンラインと実際に会ったら全然違かった」ということを解消するためには、新卒採用をオンラインで成功させるテクニックとして、オフラインも同時に活用することも考えておきましょう。
たとえば、最終面接のみはオフライン面接を実施することで、ミスマッチを防ぐことができます。
最終面接の段階では人数も限られてくるので、コロナ禍であっても、日程を分ければ密にもなりません。
アクリル板で互いを区切るなどして、お互いに安心の状況で実施すれば問題ないでしょう。
学生側も、一度も対面することや企業に行くことなく内定をもらうのは不安があるので、オフライン面接を最後に実施するのは一つの方法です。
新卒採用のオンライン化による成功事例
オンライン面接の失敗例を見たり、オンライン採用を成功させるための3つのポイントを知ることで少し面倒と感じたり、やっぱり普通に面接をやったほうが良いのだろうかと不安になる企業もあるかもしれません。
そこで、新卒採用のオンライン化による成功事例もご紹介しますので、メリットがあることも知り、そのうえで、新卒のオンライン採用を導入するか検討しましょう。
オンライン化したことで全国の学生が集客可能になった
新卒採用のオンライン化による成功事例の一つとして、オンライン化したことで全国の学生の集客可能になったというメリットが挙げられます。
東京の会社のため、今までは東京会場のみの説明会実施でしたが、オンラインで開催できるようになったことで、全国の学生と会うことができ、より有能な人材や自社にマッチする人材との出会いが得られたという成功事例です。
実際、関西の学生は気合いが入っている方も多く、全体の1/3の内定者が関西の学生になったと言います。
関西に限らず、地方在住で就職は東京の会社へという学生も少なくありません。
関東圏出身で、北海道や沖縄の大学に通い、就職後は関東へ戻る予定の学生もいます。
こうした学生にとって、高額な交通費や宿泊代をかけずに面接を受けられるオンライン面接は、企業にエントリーしたくなるポイントにもなります。
説明会のオンライン化で1回に50名以上の学生と会えた
新卒採用のオンライン化による成功事例として、説明会のオンライン化で1回に50名以上の学生と会えたというケースがあります。
会場の規模感が限られているため、オフラインでは最大20名しか集められなかったが、オンライン開催によって、1回に50名以上の学生と会うことができたという例です。
企業の規模によっては、オフラインの説明会のほうが大々的に開催できるというケースもあると思いますが、企業内にスペースがない、コストをかけて会場を借りるのを避けたいなら、オンライン説明会もおすすめです。
工数削減にもなり、余裕を持って採用することができたと言います。
まとめ
新卒採用をオンラインに切り替える際に、オンライン採用を成功させるための3つのポイントとして、「ネット環境を整える」、「オンライン面接以外の評価も考える」、「オフラインも同時に活用する」ことが大切になります。
新卒採用のオンライン化で起こった失敗例、新卒採用のオンライン化による成功事例も踏まえながら、自社の体制を整えましょう。
オンラインに特化するのではなく、オフラインのほうが見極めやすい点は否めないため、ミスマッチが起こらないよう、オンラインとオフラインの両立ができないか模索するのがベストです。