エンジニアを採用したい!押さえるべきポイントや採用手段を紹介

はじめに

近年、情報化社会の進展により、多くの企業にとってエンジニアは必要不可欠な職種となりました。

サービスを維持・改善していくために、自社エンジニアを雇用することの重要性は、ますます増大しています。

しかし、ほかの職種と同じ採用方式では、なかなか優秀な人材を採用することはできません。

そこで今回はエンジニア採用において、押さえるべき重要なポイントを紹介します。

エンジニア採用が困難といわれる理由や、採用の際の注意点についても確認するので、エンジニア採用で悩んでいる企業の方はぜひ参考にしてみてください。

ポイントを押さえないとエンジニアは採用できない

具体的な採用のテクニックを紹介する前に、まずはエンジニア採用の難度が高い理由について確認しておきましょう。

最初に述べたように、エンジニアとして優秀な人材を採用することは少々難易度が高いです。

それは単に人材が少ないだけではなく、エンジニアの置かれている独特な環境が影響しています。

いくつかの重要なポイントを押さえておかなければ、優秀な人材の才能は困難となるでしょう。

もしエンジニアの採用をスムーズに進めたいのであれば、エンジニアという職種の現状を知り、エンジニアの視点に立って考えることが重要なのです。

エンジニアの採用が難しい理由:専門性が高い

エンジニアを採用するのが難しい理由の1つ目は、その専門性の高さです。

エンジニアの担う業務は高い専門性が求められる領域であり、人数だけを集めればなんとかなるものではありません。

自社のシステムやサービスを任せられる、一定以上のスキルをもったエンジニアは候補が絞られてきます。

また、同じエンジニアの経験を積んだ人材でも、その専門やスキルのレベルはさまざまです。

業種や業界によって求められているスキルも異なるため、希望の人材とマッチングすること自体のハードルが高くなってきます。

マッチしたとしても、その専門性について採用側が理解していなければ、採用はスムーズに進みません。

そしてエンジニアはその専門性の高さから、経験者採用の需要が高いのも特徴です。

その結果、次に紹介する需要の高さに拍車をかけています。

エンジニアの採用が難しい理由:どの企業もエンジニアを求めている

エンジニア採用が困難な理由の2つ目は、需要の高さにあります。

IT技術の発達やDXの推進といった流れを受けて、エンジニアの有効求人倍率は平均して高い数値を保っています。

AI技術の台頭や、経験者採用傾向が強まっていることも加味すると、その需要は今後もより高まっていくでしょう。

現在でも複数の企業が、1人のエンジニアを取り合う状況が続いています。

そのため若く優秀なエンジニアであれば、複数の企業から内定を出されることも少なくありません。

こういった状況において採用側は、ほかの企業もエンジニアを強く求めていることも念頭に置いたうえで、採用活動をする必要があるでしょう。

そして複数社で1人の人材を取り合う場合、次に紹介する他社との差別化が大きな問題となってくるのです。

エンジニアの採用が難しい理由:他者との差別化が難しい

3つ目の理由は、エンジニアを採用する際に、企業側が他社との差別化をするのは難しい点があげられます。

先述したように現在はエンジニアの需要が高く、売り手市場です。

そのため、エンジニアに入社してもらうため、他社とは違った独自のメリットをアピールしなくてはいけません。

しかし競合他社が提示している採用条件や、エンジニアに対する需要の調査が不十分だと、うまく差別化できず人材を逃してしまいます。

エンジニアはスキルの定量化が難しいため、どの程度の待遇が妥当なのか見極めるのが難しい点も、差別化の難度増加に一役買っているでしょう。

また、経営陣がエンジニア採用の困難さを理解しておらず、適切な待遇を用意できないケースも見られます。

優秀なエンジニアを採用するには市場を分析し、自社を選ぶ利点について、明確に提示しなくてはいけないのです。

エンジニアを採用したい場合に押さえておくべきポイントとは?

次はエンジニアを採用する際に、押さえておきたいポイントについて個別に見ていきましょう。

今回は特に重要な6つのポイントを紹介します。

これらのポイントは先述した、エンジニア採用が困難となる3つの理由に対処する内容となっており、スムーズな採用活動をすすめるために大きく役立ちます。

いずれのポイントについても共通しているのは、エンジニアのことを知り、エンジニアの視点に立って採用活動を進める点です。

現在行っている採用活動の内容を振り返り、すべてのポイントを押さえられているかを確認してみると良いでしょう。

どのようなエンジニアを採用したいのか明確にする

最初のポイントは、企業が求めている人物像を明確にすることです。

少し専門的に言い換えれば「ペルソナを設定する」といったものになるでしょう。

採用したいエンジニアの専門や、スキルのレベルを明確にすることで、該当する人材がミスマッチをおそれずにエントリーしやすくなります。

また、採用後のポジションや待遇といった、企業が提供できるものを明確にしておくことも、エンジニアの視点では重視されるでしょう。

なおペルソナ設定においては、企業側が採用したい人材をアピールするだけでなく、その人材が自社で採用できるかどうかも、見極めなくてはいけません。

応募が少ないようであれば、競合他社の採用条件や、市場の調査をふまえたうえでのペルソナ再設定も必要です。

自社が求めるものと、エンジニアが求めるものをすり合わせて、適切なペルソナを作っていきましょう。

社内エンジニアに協力をあおぐ

ここまで何度かエンジニアの業務について理解すること、エンジニアの視点に立つことの重要性を確認してきました。

しかしエンジニアの心理や専門分野について、人事担当者だけで十分に理解することは容易でないのです。

そんな際に役立つのは、すでに社内にいるエンジニアです。

現役のエンジニアに協力をあおぎ、転職活動を行っているエンジニアが何を考えているのか、どういった企業に魅力を感じるのか探ってみましょう。

ペルソナを設定する段階でも、専門性に関する記述で間違いがあると、入社後のトラブルにつながる可能性があります。

そういった事態を避けるためにも、自社エンジニアなど専門知識をもった人間のチェックは欠かせません。

エンジニアの採用を本格的に進める場合は、自社エンジニアを組み込んだ採用チームの編成も必要になってくるでしょう。

自社や競合他社を研究する

エンジニア採用の際に重要になる次のポイントは、十分な自社分析と他社分析です。

自社のエンジニア環境や、必要としているポジションを十分に理解していないと、そもそも明確なペルソナが設定できません。

また、人材に求めるレベルと自社のレベルが釣り合っているか、何が提供できるかを明確にするためにも、自社分析は避けては通れないでしょう。

一方、自社独自のアピールポイントを作り出すためには、競合他社の分析も欠かせません。

競合他社の事業内容や求めている人材の専門性、給与や待遇を調査し、それを自社の採用活動に活かす試みが必要です。

自社と他社を十分に分析することで、募集する人材の待遇を向上させる、採用条件を緩和するといった、方針の転換も的確にできます。

業務内容や使用言語などを詳しく記載する

エンジニア採用においては、具体性も重要なポイントです。

専門性の高いエンジニアという職種の採用だからこそ、求人票には業務内容や使用言語など、明確に記載しなくてはいけません。

具体性に欠けた求人を出すと、求める人材が曖昧になるため、コンタクトを取って確認する手間が生じます。

不要なコストの発生は、エンジニアと企業双方にとってデメリットでしかありません。

応募条件の具体性を高めることは応募数の増加や、入社後のミスマッチを避けることにもつながります。

求人内容の具体性を高める際には、先述した自社エンジニアの協力をあおぐ手法も有効です。

また、具体的な情報の記載を意識することで、自社分析や他社分析の不足に気づける可能性もあります。

エンジニアの視点で不足している情報がないか、しっかり確認しておきましょう。

スカウトメールを活用する

エンジニア採用を行う際には、スカウトメールの使い方も重要なポイントになってきます。

スカウトメールとは、条件に合致する人材をデータベースから探すことで、企業側から個人への直接アプローチを可能にしているシステムです。

先述したように、エンジニアの採用は売り手市場であり、有効求人倍率は高い数値を保っています。

1人のエンジニアを複数企業で取り合っている状況なので、待ちの姿勢で採用をしていては、なかなか優秀な人材を得ることはできません。

特に競合他社と同程度の条件で採用活動を進めている場合、いかに優秀な人材を早く見つけるかが、勝負のカギとなります。

なかなかエンジニアの応募が来ないと悩んでいる場合は、スカウトメールを活用し、攻めの姿勢で採用活動を進めてみるといいでしょう。

選考に要する時間を短くする

最後に紹介するポイントは、選考期間に関するものです。

先程エンジニア採用では、人材をいかに早く見つけるかが重要と述べましたが、コンタクトを取ってから採用までの過程でも、スピード感は重要視されます。

売り手市場のエンジニア採用では、選考に時間をかけていると、その間にほかの企業から内定が出されてしまうケースも、少なくありません。

特に昨今では提出書類の電子化や、オンライン面接が普及したため、長くとも応募から3週間程度で内定を出す、スピード感が求められています。

面接の日程調整が難しい場合は、スムーズに選考を進めるために、企業側が譲歩する判断も必要になってくるでしょう。

一方で、内定を出してから、職務開始日までのフォローも忘れてはいけません。

こまめに連絡を取り、仕事に対する不安や疑問を払拭しておきましょう。

エンジニアの採用にはどのような手段がある?メリットとデメリットをあわせて解説

次はエンジニア採用を行うための、具体的な手段を見ていきましょう。

現在はインターネットを中心として、多くの求人サービスが展開し、それ以外にもさまざまな採用手段が存在します。

しかし手段ごとの特色を理解していないと、効率の良い採用活動にはつながりません。

そこで今回は転職サイト・転職エージェント・リファラル採用・ダイレクトリクルーティング・イベントの6つの手段について特徴を解説します。

それぞれが、どのようなメリットとデメリットをもっているのかしっかり把握し、採用活動に役立ててください。

転職サイト

転職サイトは企業が求人広告を出し、興味をもった人がそれに応募する採用形態です。

求人媒体としての認知度も高く、現在はそれぞれの業界に特化した転職サイトも運営されています。

多くの人の目に留まりやすくなるので、実績を問わず、未経験募集を行う場合や採用人数が多い場合などで、より効果が期待できるでしょう。

企業が転職サイトを利用する場合、多くは広告掲載時に費用がかかります。

また、中には入社が決まった場合、報酬が発生する成果課金型のサイトも存在します。

メリット

転職サイトは利用する人数が多いため、広告を出せば自社の求人情報を多くの人に見てもらうことが可能です。

積極的に転職活動を進めていない潜在層も、登録だけはしているケースが多いため、隠れた人材とマッチングできる可能性もあります。

また広告掲載で費用が発生するタイプでは、1回の広告で多くの人材が採用できた場合、コストの削減が可能です。

大手転職サイトであれば、スカウトメールなどのダイレクトリクルーティング機能も備えていることが多いので、さまざまな採用手段を並行して進めることもできるでしょう。

デメリット

転職サイトは利用者が多い一方で、活用している企業も多いため、知名度の高い企業に応募が集中しがちです。

そのため求人情報では、より明確に他社と差別化した、自社のメリットをアピールしなくてはいけません。

また、想定より応募が多く集まった場合は面接や、合否連絡といった多くの工数をさばききれない可能性もあります。

そして、採用の有無に関わらず、広告掲載で費用が発生する点も注意が必要です。

コストに見合った成果が得られるとは限らないので、求人広告を出す媒体や時期を十分に吟味する必要があるでしょう。

転職エージェント

転職エージェントとは、企業がエージェントに求める人材の情報を伝え、登録者の中から条件にマッチした人材を紹介してもらう採用手段です。

サービス登録時に面談をして、スキルや希望する労働環境の確認を行うため、転職サイトなどに比べミスマッチが起こりにくいのが特徴です。

料金体系は成果報酬型であり、入社が決まった際に費用が発生します。

求職者からの応募を待つのではなく、企業の求める人材を能動的に探してもらうため、転職サイトよりはやや攻めの傾向が強い採用活動だといえるでしょう。

メリット

転職エージェントを利用した場合、エージェントが候補者を厳選するため、人事担当者の負担が少なくて済みます。

また、人材紹介会社に登録する時点でスキルや経験を確認しているため、転職サイトよりも平均して質の高い人材とコンタクトを取ることが可能です。

企業側からもしっかり聞き取りを行うため、ミスマッチの可能性を大きく減らせるでしょう。

転職エージェントは転職サイトに掲載されていない、非公開求人情報を保有していることも多いので、より積極的に転職を考えている層にアプローチをしやすいのも特徴です。

デメリット

転職エージェントは成果型報酬ですが、その分採用1件ごとの費用は高めです。

平均して年収の35%程度を支払うことになるので、ほかの採用手段との費用対効果をよく考えてから、利用するかどうかを決めた方が良いでしょう。

また、人材の発掘や選定をエージェントに一任するので、採用効率がエージェントのスキルに依存する点、社内に採用ノウハウが蓄積しにくい点も注意が必要です。

転職サイトと比べるとデータベースの登録数は少ない傾向にあるので、依頼する人材紹介会社とエージェントの選定は、慎重に行わないといけません。

リファラル採用

リファラル採用は自社の社員から、条件に合った知人や友人を紹介してもらう採用手法です。

縁故採用と同一視されることも多いですが、縁故採用は採用基準として紹介者の血縁関係や、コネクションに重きを置くケースが多く見られます。

一方、リファラル採用では人と人のつながりを縁として採用活動を始めるものの、選考過程で重視されるのはスキルや経験です。

エンジニアの採用では企業が積極的に動くことが重要なため、社員を活用して、優秀な人材を探すリファラル採用も、有効な手法として注目されています。

メリット

リファラル採用を選ぶメリットの1つはコストの低さです。

社員の人間関係を活用して、直接人材とコンタクトを取れるので、求人広告や人材紹介サービスに支払うコストが発生しません。

また、自社の雰囲気を知っている社員が仲介となるため、入社後のミスマッチが起こりにくい点もメリットといえるでしょう。

社員と企業の関係性を強めることで、既存社員の定着率にもポジティブな効果があるといわれています。

場合によっては転職サービスなどに登録していない、潜在的な転職層にいち早くアプローチができる点も大きなメリットです。

デメリット

リファラル採用は社員による紹介が入り口となるため、社員の人数や人脈次第では、なかなか優秀な人材を見つけることができません。

また、人事担当者以外が人材を探すことになるため、企業が求める人材や、用意している待遇の周知が不十分だと、誤った人材を紹介されてしまう危険性があります。

紹介してもらった相手が不採用となった場合、紹介者との間に、人間関係の不和が発生することもあるでしょう。

採用傾向によっては、派閥の形成や能力の偏りが生じるため、採用と人材配置のバランスには気を配らなくてはいけません。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業から積極的に人材を探して採用活動を行う手法のことです。

先程紹介したリファラル採用も、ダイレクトリクルーティングの1つといえるでしょう。

ダイレクトリクルーティングの手法はさまざまなものがあり、近年特に多く活用されるのがスカウトメールです。

各求人サイトが展開しているスカウトサービスを利用することにより、自社が必要としている人材を探し出して、コンタクトを取ることが可能になります。

攻めの姿勢が重要なエンジニア採用では、重要な手段の1つといえるでしょう。

メリット

ダイレクトリクルーティングの大きなメリットとしては、潜在層へのアプローチが可能な点をあげられます。

潜在層とは、表立って転職活動を進めてはいないものの、良い条件があれば転職も考えるスタンスの人々のことです。

潜在層の人数は、積極的に転職活動を進める顕在層の数倍とも言われており、売り手市場であるエンジニア採用でも潜在層にアプローチをかけることで、他社が気づいていない優秀な人材を採用できる可能性があります。

また適切なアプローチをすれば、マッチ度の高い人材の採用が可能なため、コスト削減にも効果的です。

デメリット

ダイレクトリクルーティングは企業が主導となって行う採用手段なので、人事担当者のスキルが不十分だと、優秀な人材へのアプローチが失敗する可能性もあります。

特にスカウトメールを送る対象の見極めや文面の作成には、通常の採用活動とは違った経験が必要です。

また待ちの姿勢で臨む採用活動に比べ、人事担当者の負担も増えるため、ほかの業務とのバランスをうまく取らなくてはいけません。

すぐに成果を出すのは難しいため、中長期的な視野で実践と改善を繰り返しながら、少しずつ採用効率を向上させることになるでしょう。

イベント

最後に紹介する手段はイベントです。

ここでのイベントとは、転職イベントやエンジニアが集まるオフ会、企業主催の技術交流セミナーなどを指します。

こういったイベントでは、直接エンジニアの人柄や、企業とのマッチ度を確認することが可能です。

イベントを採用に活用する場合、どのようなイベントに参加するか、どのようなイベントを開催するかが重要になってきます。

参加するエンジニアの専門性やスキルは、イベントによってさまざまなので、広くアンテナを張りイベントの情報や、エンジニアのニーズをキャッチすることが必要になるでしょう。

メリット

大規模な転職イベントは参加者が多いため、1日で多くのエンジニアと接点をもつことが可能です。

イベントの種類によっては、求人サイトなどに登録していない、優秀な人材とつながりをもつこともできるでしょう。

また、直接エンジニアと交流が可能なので、自社を選んでもらう、明確な動機づけをしやすくなります。

イベントを通して企業からアプローチする採用形態なので、各種求人サービスを利用する場合に比べ、コストが抑えられます。

自社でイベントを開催する場合は、企業の技術や製品を広め、ブランディングに役立てることも可能です。

デメリット

イベントを採用に活用するためには、イベントに参加する人員を確保し、事前準備を十分にしなくてはいけません。

大規模な転職イベントは参加人数が多いため、短時間で企業の魅力をアピールする手段が用意できていない場合は、コストに見合った見返りは得られないでしょう。

一方小規模なイベントは参加人数が少なく、人材の質もイベントによってまちまちです。

そのため、継続的にイベントに参加しないと、なかなか求める人材とは出会えません。

また、自社で勉強会や技術交流セミナーを開く場合は、イベント開催のノウハウが必要になります。

まとめ

エンジニアはその専門性や需要の高さから、採用活動が難しい職種の1つです。

優秀なエンジニアは複数の企業で取り合いになっている状態なので、企業は自社分析と他社分析を十分に行い、独自の魅力をアピールすることが求められます。

一方、スカウトメールに代表される、攻めの採用手段を活用することで、ほかの企業が目をつけていない人材に、アプローチをかけることも可能です。

エンジニアが必要としている情報や、求めている待遇についてしっかり理解し、積極的に採用活動をすすめてみると良いでしょう。

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