フリーランスエンジニアを採用する?メリットデメリットを解説

はじめに

最近は1つの企業から雇用される働き方を選ばず、フリーランスで活動することを選ぶ方も増えてきました。

企業も時代の流れに合わせ、必要に応じてフリーランスの活用を考えなければなりません。

特にフリーランスで働くエンジニアの活用が、作業の効率や質に大きく影響を与える可能性もあります。

この記事では、フリーランスエンジニアを採用するメリット・デメリットや、採用時の注意点などをまとめましたので、ぜひご覧ください。

フリーランスのエンジニアは年々増加している理由

まずは、フリーランスのエンジニアが年々増加している理由について見ていきましょう。

フリーランスは優れたスキルのある方でない限り、収入面ではデメリットやリスクの多い働き方です。

それでも時間や休日の都合をつけやすい・人間関係に縛られにくい生き方をできるのが魅力的、と感じる方がたくさんいらっしゃいます。

さらに、以下の見出しで紹介する3つの要素が、フリーランスエンジニアの働きやすさに、強い追い風となっていることは見逃せません。

①働き方が多様化した

エンジニアという職種に限らず、働き方は多様化しており、世間的にもフリーランスに対する理解が得られるようになってきた、という事情があります。

場所を選ばず働く「ノマドワーカー」という働き方も定着しつつあり、結婚などでも「収入が不安定」といった理由で不利になることは、今後どんどん減っていく可能性が高いです。

雇用情勢が不透明になりつつあり、「企業に雇用されていても絶対的に安定ではない」と多くの方が感じるようになってきたことも大きいでしょう。

そのため手に職のあるエンジニアといった職種では、デメリットがあっても、フリーランスで働く道を選ぶ方が増えてきました。

若い方でも、早いうちに独立してフリーランスとなる方はいらっしゃいます。

②リモートワークを行いやすくなった

ネットワークの技術が年々進化しており、リモートワークがしやすい環境になってきたことも、フリーランス増加に影響しています。

特にコロナウイルスの感染拡大でテレワーク・リモートワークに対する理解が深まりました。

ほとんどの仕事では、直接対面しなくても問題なく、打ち合わせができることを多くの方が認識するようになったからです。

「直接会わなければ信頼関係を築けない」と考える方が減っている今、どこに住んでいても日本中の仕事を受けられるフリーランスは、よりいっそう働きやすくなっています。

モバイルのネットワーク環境も利便性が高まっており、旅行などの最中に仕事を受けられる点もフリーランスになる利点でしょう。

最近では、住居自体を1ケ所に定めないライフスタイルの方もいるほどです。

③フリーランス向けのクラウドサービスが増えた

さらに、フリーランス向けのクラウドサービスが増えたことも、フリーランス増加につながっています。

サービスに複数登録しておけば、それだけ仕事をもらえず、収入がなくなってしまうリスクは減るでしょう。

サービスの増加によってスキルや条件などを吟味し、自分に合ったパートナーと仕事がしやすくなったのも大きなメリットです。

フリーランスの中には、複数の信頼できるクライアントと契約を結ぶことで、会社員時代より高い収入を得ている方もいらっしゃいます。

こうした成功者の事例を聞く機会が増えたことも、「自分もフリーランスになってみたい」と思う労働者が増える大きな要因といえます。

この傾向は年々拍車がかかっていて、今後もフリーランスの方がいきなり減少する可能性は低いと考えられるでしょう。

フリーランスエンジニアを採用するメリット

次に、企業がフリーランスエンジニアを採用する場合のメリットについて考えます。

これだけフリーランスという働き方が広まっている理由は、フリーランスとして働く方だけにメリットがあるからではありません。

フリーランスを雇用する側にも、コストや作業能率などさまざまな面で大きなメリットがあります。

このメリットについてよく理解し、上手にフリーランスエンジニアを活用できれば、貴重な戦力として大いに活躍してくれる可能性が高いです。

①コストを削減できる

フリーランスを採用する大きなメリットは、やはりコストの削減です。

これは単に正社員よりも安い給与で雇える可能性がある・福利厚生にかける費用や社会保険料のコストを払う必要がないからです。

加えて、すでに一定のスキルを身につけているフリーランスを採用できれば、教育コストの削減にもつながります。

新卒を雇う場合にかかるコストを減らし、採用のためにかける労働力や人件費を、ほかに回すこともできるでしょう。

ただし、当然フリーランスを雇用する際にクラウドサービスを利用するとなれば、当然そこに費用がかかります。

コスト節約のつもりがかえってコストは増えた・想定していたほど人件費を節約できなかったというケースもあるのでご注意ください。

②即戦力を得られる

高い専門性を有したフリーランスが雇用できれば、即戦力を得られることにもなります。

採用後すぐに実力を発揮してくれるので、プロジェクトをスムーズに回していくために、大いに役立つでしょう。

もちろん、即戦力を期待するなら、雇用するフリーランスを慎重に選ぶ必要があります。

報酬が高くても確実に仕事をしてくれる、実績豊富なフリーランスの方を選ぶようにしてください。

経験の浅いフリーランスを雇用しても、結局戦力になってくれるまで新人教育のように指導する必要があります。

それなのに契約期間を終了すると、いなくなってしまうのではメリットがありません。

クラウドサービスに登録しているエンジニアのスキル・経験には、かなり差があるので注意は必要です。

③短期・小規模の業務に対応できる

契約期間が月・週といった単位で選択できるフリーランスは、非常に「小回りの利く」存在といえます。

短期のプロジェクト・小規模のプロジェクトを依頼するのにうってつけの人材です。

ほかに大規模なプロジェクトを抱えていて、中核を担うエンジニアはそちらに回したいというときに、フリーランスが力を発揮します。

場合によっては1日・数時間といった単位で仕事を請け負ってくれる方もおり、信頼できるエンジニアの方を何人か確保しておけば、いざというときは頼りになるでしょう。

もちろんフリーランスの方がほかのクライアントから業務を受けており、すぐに対応できない場合もあります。

1人に依存するのではなく、複数のエンジニアと良い信頼関係を構築しておくようにしましょう。

④働き方も柔軟に対応してくれる

フリーランスの方は働き方も柔軟に対応してくれるので、あらかじめ人件費の枠が決まっているときも助かります。

〇日間だけ、〇週だけ契約して働いてほしいという内容でも、応募してくれる・依頼を受けてくれる方が多いです。

フリーランスの方は平日のみ・昼間のみなどサラリーマンに近い形で稼働する方もいれば、ある期間は休日なしで働く代わりに、休みを連続して長く取るスタイルの方もいます。

後者のスタイルであれば、かなりタイトなスケジュールでも、集中的に仕事をしてくれる可能性もあるでしょう。

頼りになるフリーランスの方が見つかり、今後も仕事を依頼したいときは、その方のスケジュールや、休みの希望なども聞いておくようにしてください。

次の仕事を依頼したいときの参考になります。

⑤自社にはないノウハウを有していることもある

多くのフリーランスエンジニアの方は、独立までに他社でスキルを身につけてきた方です。

そのため、自社の社員がもっていないノウハウを有していることも、珍しくありません。

経験豊富なフリーランスエンジニアと仕事をすることが、若手社員に大きな刺激となることもあります。

新しく仕入れたノウハウを使って、自社の社員全体のスキルアップをはかることができるのも、フリーランスエンジニアの有効活用法と言えるでしょう。

もちろん、反対に自社の今までのノウハウとフリーランスの方の有する経験がぶつかり、能率を悪くしてしまう可能性もあります。

雇用前に不安な点があれば、しっかり打ち合わせをして確認しておくことが大切です。

クラウドサービス上で、雇用前にメールやチャットのやり取りができるなら、活用しましょう。

フリーランスエンジニアを採用するデメリット

続いて、フリーランスエンジニアを採用するデメリットについても考えます。

フリーランスエンジニアにはコスト面などで多くのメリットもありますが、デメリットも無視できません。

雇用するコストがほとんど変わらないのであれば、直接雇用しているスタッフだけで仕事をする方が、安定することも多いです。

特に以下の見出しで紹介する3点は、比較的大きなデメリットとなるので注意が必要です。

フリーランスエンジニアを活用する前に、よく確認しておきましょう。

①必ず採用できるとは限らない

優秀なフリーランスほど、多くの企業から仕事の依頼を受け、スケジュールが埋まっているのは当然です。

そのため、ねらった人材を必ず採用できるとは限らないのが、フリーランスの大きなデメリットといえます。

プロジェクトが決まった時点で、どの程度を自社スタッフで対応できるか、早めに目途を立てることが必要です。

早めに依頼を出せば出すほど、優秀なフリーランスのスケジュールを確保しやすくなるでしょう。

スケジュールが合っても、条件面などで折り合いがつかない可能性もあります。

優秀な方の代わりとなれば、新たに信頼できるエンジニアを探すのも、なかなか大変です。

スキル・経験不足の方を急場で雇うわけにもいきませんので、採用がうまくいかない場合の対応策を考えておきましょう。

②仕事を遂行してくれないリスクもある

次に、フリーランスの方が依頼通り仕事を遂行してくれない・ずさんな仕事しかしてくれないというリスクを考えます。

フリーランスの方は企業への帰属意識を持ち合わせておらず、意識の低い方だと、突然連絡がつかなくなってしまうリスクもあります。

優秀で実績豊富な方であればそのリスクは低いですが、はじめてフリーランスを利用するという場合は、注意が必要です。

付き合いのある会社から、信頼できるフリーランスを紹介してもらうなどの方法で、このリスクは軽減できます。

また最近のクラウドサービスでは、契約が履行されなかったときのヘルプ窓口などが設けられていることもあります。

それでも仕事に遅れが生じることに変わりはないので、信頼度第一で採用する方を選ぶことが大切です。

③情報漏えいの危険もある

フリーランスの方は、さまざまなクライアントから仕事の依頼を受けています。

自社の情報が、思わぬ形で漏れてしまうリスクもあるのです。

仕事を依頼したフリーランスの方に悪意がない場合もあります。

複数のクライアントと同時にメールのやり取りをする中で、宛先を間違えてしまうといった、単純なミスが起きる可能性もあるでしょう。

通信環境によっては、第三者がパソコンやSNSのアカウントを乗っ取る、という可能性もあります。

情報が漏れてはいけない仕事に関しては、フリーランスを使わず、自社スタッフのみで行う方が安心できます。

諸事情でフリーランスエンジニアを雇用する場合も、守秘義務について契約内容に含めておくようにしましょう。

機密情報について話す際は、お互い他者に聞かれない場所へ移動する合意を得ておくことも大切です。

④ジェネラリストのような働き方は難しい

フリーランスエンジニアはあくまでスペシャリストであり、雇用契約に記載のある業務しか行いません。

頼みたいささいな用事ができ、「契約期間中なので、ついでにこれもお願いしたい」というのは無理があります。

もちろん付き合いの長い方であれば、ある程度融通を利かせてくれる可能性もあるでしょう。

しかしお互いが気持ちよく働くために、契約内容以上のことをしてもらうことはやめた方が賢明です。

契約内容以上の負担を求めたため、次から仕事を依頼しても断られるようになっては、企業側も大きな損をしてしまいます

ジェネラリストとして、さまざまな業務で活躍する社員は自社のスタッフでまかない、専門性の高い分野でフリーランスエンジニアを使うようにしてください。

フリーランスエンジニアの採用したいなら

続いて、フリーランスエンジニアを採用するうえでの注意点を紹介します。

フリーランスエンジニアは決まった給与形態などがありません。

そのため、しっかり相談して条件を決めなければなりません。

経験豊富なエンジニアほど自分のスキルを安売りしないので、雇うための条件もシビアです。

最小限のコストで最大限にフリーランスエンジニアを活用するには、雇用側がしっかり人物を選び、丁寧な依頼を出す必要があります。

特に、以下の見出しで示すポイントに気をつけてください。

①適切な単価を提示する

まずはどんなエンジニアに対しても、仕事量や難易度に応じた、適切な単価を提示することが大切です。

適切な単価を設定すれば企業の信頼度につながるため、より優秀な方が仕事を受けてくれるようになります。

相場より安い単価で仕事を引き受けてくれる場合、経験が未熟で期待通りの仕事ができない・どうせ安い仕事だからと途中で投げ出されるといったリスクは見過ごせません。

事前にクラウドサービスのサイトなどを通して、その仕事を依頼するのに適切な単価を調べておくようにしましょう。

絶対ミスが許されない大切な仕事であれば、相場よりも高い報酬で、実績豊富なベテランエンジニアを雇うのも手です。

仕事に意欲的に取り組んでもらいたい・少しでも質の高い仕事をしてほしいという場合は、インセンティブを設定することもできます。

②業務や契約の内容は明確に伝える

次に、どんな仕事を依頼したいのか、できるだけ明確にすることが大切です。

一番確実なのは事前に書面を作り、記録として残してください。

不要なトラブル防止のため、細かい点もしっかり記載しておきましょう。

音声や動画で打ち合わせをする際も、できるだけ録音して記録を取っておいてください。

あとから「言った・言わない」のトラブルを避けることにつながります。

あいまいな認識のまま契約を交わしてしまうと、契約期間の後半や終了間際になって、思わぬ行き違いが生じるリスクもあるので、注意が必要です。

契約期間中もささいなことであれ、疑問や不安が生じたときは、フリーランスの方とすぐ連絡をし、確認をするよう努めてください。

フリーランスの方は直接雇用の社員と違い、条件が合わないということであればすぐに「辞める」という選択をとれる立場であることは、忘れないようにしましょう。

③信頼できる相手かを見極める

特にはじめて依頼する場合は、信頼に値するフリーランスかどうかを見極める必要があります。

クラウドサービスでは、登録者の過去の実績なども確認できるでしょう。

難しい仕事・大切な仕事を任せるのなら、過去にそのサイトで仕事をこなしている方・クライアントからの評価が高い方を選んでください。

長期間にわたって、継続して仕事を依頼したいという場合は、直接その方と連絡を取り、Zoomなどで面談をすることもできます。

フリーランスの方にとっても、企業側の担当者が信頼に足る人物であると確認できた方が、安心して仕事ができ、責任感を抱きやすいといったメリットがあります。

時期が迫っているプロジェクトであっても、互いの信頼関係を築く時間はしっかり確保するようにしましょう。

まとめ

フリーランスとして働くことを選ぶエンジニアが増えたことは、企業側にとっても経験豊富な方を低コストで雇うチャンスともいえます。

しかし契約期間が限られている・業務内容の契約も縛りがあるといった点から、自社スタッフのように、フレキシブルになんでもしてもらえるわけではありません。

その特性を理解したうえで、必要なときに必要なだけ、仕事を依頼するのがかしこいフリーランスの活用法です。

信頼できるフリーランスの方を増やし、必要なときに何人か声をかけられるようにしておけば、いざというときに役立つでしょう。

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