採用担当へ着任したものの、何をすればいよいのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?採用担当と人事でも、職務領域が異なるためスキルとして身につけることも異なってきます。また人材業へ就職された方も、お付き合い先となる担当者の方を理解するヒントになるかと思います。
その中で今回は採用担当者向けに、初任で押さえておくべき点をご紹介していきたいと思います。
採用活動とは?
採用活動というと、採用戦略・計画の考案、採用媒体・選考プロセスの決定、入社後の育成まで一貫して行う活動を指します。
イメージでは求人掲載や選考、候補者とのコミュニケーションを想起されるかと思いますが、かなり幅広い業務を年単位で行なっていきます。
人事との違いは?
採用担当と人事の違いは、プロセスの中で特化しているか否かです。
人事領域は人に関わること全般となるため、人を集め獲得する採用活動から経営資源となる人材の配置・管理、働き続けてもらうための制度や評価基準、そして経営の新陳代謝を見据えた退職管理まで「人」と「会社」を繋ぐお仕事になります。
採用担当者はその中でも、人材採用に特化したお仕事を指します。
採用担当の心得
1、会社の顔であるということ
必ず忘れていけないのは、会社の顔であるということです。企業を知るきっかけが就活のタイミングというケースもあると思います。その際に採用担当者は会社を代表して、コミュニケーションや言葉選びが必要になります。ご自身の言葉が会社の言葉として捉えられ、会社の印象やイメージを作ることを念頭に入れておきましょう。
2、中立の立場であること
採用担当者の中には、「候補者」「企業」に偏ってしまうということもあるでしょう。例えば選考を通じて「候補者」を育ててきたが故に、フラットに物事を判断できないケースや「企業」への偏りが強く、候補者にとって欲しい情報を共有できていないなどがないように、中立的立場にあることが大事です。
まず押さえるべきポイントとは?
採用活動を始めるにあたって、知っておくべきポイントがあります。無計画に採用活動を始めてしまったり、言われたままに求人を公開してしまうことは「企業」「候補者」双方にとってマイナスに働くことがあるため、以下の点を押さえていきましょう。
1、経営や事業を知る
人材は経営資源とも言われるほど、経営や事業にとって重要になります。人材を採用するにあたり、どのような理由で行うのかを採用担当としても握っておきましょう。
採用活動は新しい社員を迎えることですので、事業拡大のための人材獲得なのか、現状に起こっている課題を解決するための手段なのか、状況や必要性・緊急性にもよって、採用すべき人材が異なります。
この点を押さえておくことで、どのようなペルソナ・ターゲット選定がしやすくなるため、必ず情報収集をしましょう。
経営課題:経営者、経営陣
事業課題:事業責任者
2、自社を知る
次に自社を知ることです。自社といっても大きく分けると2つあります。
1つ目は、会社についてです。
心得でもお伝えしましたが、採用担当者は会社の顔になる存在です。そのため会社の情報は必ず知っておくことは必須です。魅力や強みだけではなく、会社が抱える課題や弱みも知った上で、どのように情報を伝えるのかを考えましょう。
2つ目は、人についてです。
社員についても知ることが大事です。「どんな組織風土なのか」「どんな人が活躍しているのか」などを知ることで、人柄や共通点を分析することができ、より採用活動の精度を上げることができます。また人間関係や相性なども、活躍や定着においては切っても切り離せないでしょう。
主観的な会社と社員から見た会社、第三者方見た会社のイメージをすり合わせしていくことで、より情報の精度を高めていきましょう。
採用活動の流れ
採用活動の大まかな流れをご紹介していきます。
採用計画を立てる
採用計画とは、どんな人材を何名ほど、どれくらいのコストで採用するかです。経営課題や事業計画に沿った採用活動をするためにも、求める人物像を各部門ごとにすり合わせをしましょう。
どんな人材かというのも、中途・第二新卒のように経験があり緊急度の高い人材を雇用するのか、新卒や専門卒などポテンシャルに投資をするのか、アルバイト・パート・派遣などの働き方や雇用形態が多様化している方々かという点で既に大きく違います。
加えて全体の採用予算を把握しておくことも大事です。コストを掛けずに採用するとなると、手段が限られてきますので、ある中で最も高いパフォーマンスを出せるような採用ツールを検討しなければいけません。情報収集をしながら、採用領域について知っていきましょう。
選考フローの策定
採用ターゲットを決めた後、どのようなフローで「入社したい」と思ってもらえるかを検討しましょう。選考フローとは、候補者を理解し合否を行うことです。書類選考・適性検査・面接など、様々な手段で候補者が自社と合うのか、また理解してもらう機会となります。
自社社員のうち、誰が面接を行い判断するのかも併せて考えていきましょう。
候補者1名あたりの内定数が増加しており、最終的に自社が選ばれるように、選考フロー内でも自社の魅力を感じていただけるような、意図をつくることがストーリー作成です。
スケジュール立て
入社予定月や競合他社の動きから、採用時期をいつに行うのか逆算して決めていきましょう。できればKPIなどを設定し、いつのタイミングでどのくらいの数字が動いている状況なのか、プラス・マイナスが見えるようになれば、採用課題に対して即座に別途施策を打ち出すことができるようになります。
どうしても採用活動は、数日間で決定するほど難易度が低いお仕事ではないため、ある程度リスクヘッジなども視野に入れ、スケジュール組をしていきましょう。
採用ツールの選定
ある程度枠組みが見えてきた際に採用ターゲットとなる人材を、どのような手段で採用をするのかによって変わってきます。前述したように採用予算によってはツールが限られてくるため、採用人数・ターゲットに応じてもっとも効果のありそうなものを利用する必要があります。
また採用時期によっても効果が変わるため、様々な視点を持ちフィットするツールを選定しましょう。
まとめ
採用担当者は、会社を知っている必要があります。特に良い点だけでなく、悪い点まで知った上で候補者へ齟齬のない情報を伝えていく必要があります。
単に採用数を獲得するだけではなく、経営・事業課題に「人材」という切り口で、解決策を提示できるようになることが求められる採用担当者ではないでしょうか?