エンジニアの未経験採用におけるメリットとは?採用時のポイントも解説

はじめに

エンジニアといえば専門職の1つですが、第二新卒枠の未経験採用にて人材を獲得することが可能です。

未経験採用でエンジニアを迎え入れることは可能なのでしょうか。

この記事では、エンジニアを第二新卒で迎え入れる際のメリットとデメリット、そして人事が採用時に気をつけるべきポイントについて解説しています。

採用時のマッチングさえ間違わなければ、未経験採用のエンジニアは会社にとって大きく貢献してくれる、優秀で素晴らしい人材となりえます。

未経験採用のエンジニアの魅力について見ていきましょう。

未経験採用とは?

未経験採用とは、いわゆるポテンシャル採用です。

ポテンシャル採用とは具体的に、20代の若手と呼ばれる層の社員を採用することです。

新卒で就職してから、30歳までに転職活動を行う人材のことを第二新卒と呼びます。

彼らを採用によって招き入れることを、ポテンシャル採用というのです。

これに対しキャリア採用とは、年齢は30歳以上で、ある程度の仕事をこなし、実績のある人材を獲得する採用方法です。

業界や業種の一般常識を知らない未経験と、すでに社会に出て1つの働き方を確立したキャリアとでは、採用したあとの人材活用方法はまったく異なります。

エンジニアの未経験採用にはどのようなメリットがある?

エンジニアの未経験採用に踏み切ると、一般的に以下のような6つのメリットがあるといわれています。

・採用コストが少なくて済む

・応募者が集まりやすい

・若い人材を集められる

・就業経験のある人材を採用できる

・意欲の高い人材が採用できる

・優秀な才能と出会える可能性がある

どれも会社の永続的な発展のためには欠かせない要素です。

さらに生産性が問われやすいエンジニアともなれば、上記のポイントを押さえられれば、適正のある人材を確保できるでしょう。

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

①少ない費用で人材をそろえられる

エンジニアを未経験採用すれば、より採用コストをかけずに人材をそろえられるでしょう。

言わずもがな、採用活動には相当な費用がかかってしまいます。

コストは平均で新卒が約70万円・中途採用なら約80万円ともいわれており、採用活動には莫大な資金が動いているのです。

応募者側もより良い就業環境の整った企業を選ぶように、企業側もより条件に近い応募者を選定するのは自然な流れです。

しかし、大手企業が潤沢な資金力を背景に採用活動を行っているため、必要最低限の資金投入しかできない企業が、それに対抗するのは難しいでしょう。

より良い人材を獲得するには、応募者がよりたくさん集まるような施策を打つ必要があるのです。

つまり、資金面で大手に劣る企業こそ、未経験採用に踏み切るメリットがあるのです。

②応募者が集まりやすい

エンジニアを未経験採用しようとすると、応募者が集まりやすいというメリットもあります。

一般的に「未経験」と聞けば、採用面接などに対する応募者のイメージ的ハードルも下がるでしょう。

特に中途採用であれば、興味関心はあっても経験がない分野において、応募者が二の足を踏んでしまうといったケースも十分考えられます。

どのような人材か、書類などの事前審査でふるいにかけることも可能ですが、やはり最後は直接会ってやり取りをして、見極めることとなるでしょう。

未経験採用をすれば、より幅広い人材に応募をうながすこととなり、経験がないだけで、素晴らしい能力を秘めた応募者と出会えるかもしれません。

つまり技術や資格を持っているのに、就職で活かせていなかった人材が応募してくる、能力の高い人材を新たに発掘できる可能性が、エンジニアの未経験採用にはあるのです。

③若い人材を呼べる

エンジニアの未経験採用には、会社を若返らせる効果もあるといわれています。

なぜなら、未経験採用に対して集まってくる人材は、いわゆる第二新卒と呼ばれる世代に該当する、20代の人が多いからです。

また、応募者が集まりやすいことで幅広い年齢層の人材が集い、そこから採用活動を展開できるのにも意味があります。

応募者数という母数が大きくなることで、おのずと若くて、優秀な人材を採用できる可能性が広がるといえるからです。

会社が若返れば、自社の風土で育った人材をより多く、職場に配置することが叶います。

この人材は、未来の幹部候補にもなるでしょう。

つまり会社の人材的層を厚くして基盤を構築し、長い目で見て今後の事業拡大など、会社の発展をさらに後押ししてくれるのが、未経験採用のエンジニアなのです。

④就業経験がある人材を採用できる

未経験採用には、社会に出て働いた経験のある人を採用できる、というメリットもあります。

業種や職種が未経験とはいえ、未経験採用に応募してくる人材の多くには、就業経験があります。

就業経験があることで、社会人として求められる基本的な行動はマスターしているはずなので、人材としての魅力はよりアップするでしょう。

たとえば、会社の規則を守る・報告・連絡・相談といったごく当たり前の社会人として求められる気質・対応について、新しく教育する必要はありません。

社会人としての基礎が習得できている人材であれば、業務における教育のみに専念できるので、即戦力として大いに期待できるでしょう。

また、採用後の就業態度を見て、既存社員に対して良い刺激を与える可能性も大いに考えられます。

⑤意欲が高い人材を採用できる

未経験採用には、意欲が高い人材と出会えるチャンスも眠っています。

一般的に、ポテンシャル採用と呼ばれる、第二新卒枠に入って転職活動を展開する人材には、以下のような特徴があると考えられます。

自分の置かれた環境に、何かしらの不満を覚えたのであれば「理想や目標が高い人」でしょう。

慣れた会社を離れてまで、自分の働く環境を変えようとしているのであれば、「向上心が強い人」ともいえます。

もちろん、これらの意欲的な人ほど制度面で万全を期しておく必要はあります。

しかし、それでも働く気力のない人材を雇い入れるより、はるかに大きなメリットがあるのです。

特に、今も別の職場で働きながら、新しい転職先を探している第二新卒であれば、働くことに対するモチベーションは高いでしょう。

⑥まだ見ぬ優秀な人材を得られるかもしれない

エンジニアの未経験採用には、新たな才能の発見と出会いがあるでしょう。

仕事内容が未経験であれば、業務的なジャンルとしては一切手をつけたことのない、未開拓のジャンルということになります。

仕事の適性は、ときとして思わぬタイミングで発揮される場合があります。

第二新卒で、自分の働く環境を見つめ直している人なら、新卒の就職活動時に自己分析がうまくできていなかった可能性も、十分考えられるのです。

大事なのは、過去にきちんとした自己分析ができていたかではありません。

これからの転職活動において、自分をどれだけ見つめ直せていたかです。

未経験採用にも応募できるほど、仕事に対して意欲があり、今後のキャリアについても貪欲な人材であれば、未経験の業種で花開く可能性は十分にあるといえます。

エンジニアの未経験採用にはどのようなデメリットがある?

エンジニアの未経験採用ですが、実はデメリットもあるのです。

具体的に想定されるデメリットは以下の4つです。

・育成コストがかかる

・また辞めてしまう

・入社後のミスマッチの懸念

・優秀な人材かどうかの確証はない

残念ながら、どのような採用においてもデメリットはつきものです。

特にエンジニアという、特殊な職種ならではの悩みというものもあるでしょう。

想定しうるデメリットを事前に把握しておくことで、採用後の人材育成に活かしましょう。

①育成コストがかかる

エンジニアの未経験採用を実施した場合、育成コストがかかるというデメリットをあげられます。

これは主に知識のインプット量が新卒と変わらず、同じように実際の現場で経験を積む、OJTを必要とすることに起因します。

さらに第二新卒枠での採用なので、まったくの新卒よりは賃金も少しは多く出すこととなるでしょう。

育成しなければならない状態は新卒と変わらないのに、賃金は多く出さなければならないことで、育成コストがかかってくるのです。

しかし、ポテンシャル採用の大きな強みは、応募者の適応能力が新卒に比べて高いという点にあるでしょう。

つまり、未経験採用のエンジニアに対しては、焦らずとも着実に、テンポ良く人材として育成していけるかがカギとなるのです。

②また辞めてしまうかもしれない

未経験採用で獲得したエンジニアは、また会社を辞めてしまう可能性もあります。

一度、転職を経験した人は、退職や就職活動に対して、そこまで後ろ向きにとらえていません。

むしろ転職をして、さまざまな会社の働き方や企業風土を見ているので、職場環境に対する理想は高くなっているでしょう。

そのため未経験採用で雇ったエンジニアには、良い条件の会社に勤めたい、一から仕事を覚えることに抵抗を感じにくい傾向があるでしょう。

潜在的に辞めやすい素養をもっていることは、頭に置いておきましょう。

つまり、せっかく採用しても何かしらの不満を感じて、また仕事を辞めてしまう可能性があるのです。

仕事のやりがいや、職場環境を良くすることで、人が辞めてしまうリスクを潰しておきましょう。

③入社後にミスマッチが起こるかもしれない

未経験採用やエンジニアに限らず、採用活動時の入念な事前マッチングは非常に重要です。

なぜなら、入社後に職場環境と自身のキャリア志向との不一致=ミスマッチが起こると、せっかく採用した人材でも、仕事を辞めてしまう可能性があるからです。

特に、第二新卒枠で転職活動をしている人の多くは、仕事を続けながら転職活動をしているので、時間に追われている傾向があります。

就職した経験を活かし、自己分析を仕上げている場合もありますが、ときとして自己分析がおざなりになり、自分の職業適性を把握できていない応募者もいるでしょう。

ミスマッチは起こらないに越したことはありませんが、起こった場合は、適切に対処することで離職を防げる場合もあります。

仕事における不満をどうすれば解消できるのか、人事として相談しやすい体制を整えておきましょう。

④優秀な人材に成長する確証はない

未経験のエンジニア採用は、優秀な人材と出会えるチャンスではあります。

しかし、すべての人材が優秀に育つとも限りません。

人材が仕事の場で活躍できるかどうかは、職業適性のほかに、職場環境における立場や人同士の相性もあるでしょう。

たとえば、人に教えるのが苦手な人に新人教育を任せたとしましょう。

ある程度は勉強になる部分があったとしても、それがすべて功を奏するとは限りません。

また、当初の予定で求めていた能力を、採用した未経験エンジニアがもっているとも限らないのです。

これは実績をもとにするのではなく、期待値を込めたポテンシャルに依拠する、未経験採用ならではのデメリットといえるのです。

人材がイキイキと働ける環境を整えていけるよう、部署を横断した人材活用法についても考えておくことをおすすめします。

エンジニアの未経験採用を実施する際のポイントは?

エンジニアの未経験採用を行う際のポイントは以下の4つです。

・熱意や素養は面接の段階で確認する

・どういった人材を求めるかを明確にしておく

・退職理由の確認

・未経験採用こそ入社後の教育はより丁寧に

面接において気をつけなければならないポイントから、必ず聞いておかなければならない転職理由は、必ず押さえておきましょう。

そして、企業風土の定着という意味で、採用してからの再教育はより丁寧に行う必要があるのもポイントです。

それぞれの詳細を見ていきましょう。

①面接や試験で熱意・素養を確認する

未経験のエンジニアを採用するのであれば、面接や試験の場で、仕事に対する熱意や素養をしっかりと確認しておきましょう。

たとえば、人格や能力的に非常に甚大な問題でもない限り、採用してから人材を持て余すことは考えにくいからです。

よっぽど自分の心根や本心をうまく隠す人であれば別ですが、基本的には人事採用担当の洞察力をもってすれば、人の熱意や素養は見抜けるはずです。

しっかりと対面で話ができる面接の場は、大いに活用しましょう。

特に、未経験採用については本人の仕事に対するやる気や、障害を乗り越えられる力があるかどうかは非常に重要です。

どのような気持ちで仕事と向き合い、未経験の仕事に対してどうやって自分が工夫して慣れようとしているのか、面接でしっかりと見極めましょう。

②どういった素養を求めるかを明確にしておく

エンジニアの未経験採用、第二新卒採用に踏み切るのであれば、どういった素養がある人材を雇い入れるか、事前に社内でも固めておきましょう。

未経験採用の募集には、非常にさまざまな社会人経験をもった人も応募してくるでしょう。

新卒採用と違い、実際の現場で働いたエピソードを語ってくる応募者の選定をすることとなります。

ときとして、採用すべきか判断に迷うこともあります。

また、新しく雇い入れた人材を配置する部署にも注意が必要です。

新卒と同じように入社当初は戦力にならなくとも、成長次第では、早く人を引っ張る側に立つ人材が出てくるのも、ポテンシャル採用のおもしろいところでしょう。

つまり、どのような指針で未経験採用のエンジニア達を人材として活用するかは、事業方針も交えてしっかりと決めておく必要があるのです。

③退職理由を確認する

未経験採用で雇い入れようとしているエンジニアがいるのであれば、面接の段階できちんと退職理由を確認しておきましょう。

前の会社で退職を決意したのであれば、職場になんらかの不満があったことは明白です。

しかし、その不満がなければ応募者が転職活動を志すことはなく、企業側も第二新卒の新しい人材との出会いはなかったといえるでしょう。

つまり、退職理由があること自体は問題ではなく、大事なのは退職まで踏み切った理由を明白にしておくことです。

間違っても「仕事に飽きたから」「なんとなく」といった理由で仕事を辞めてしまう人材は、採用してはいけません。

また、実際の退職理由を隠している人材も、ある意味では優良といえるでしょう。

社会人・組織の一員として、すべてが完全に会社の意向と沿った職場環境で働ける人は、そう多くありません。

そういった不一致が発生した助教でも、最適なパフォーマンスを発揮できるのが、良い人材といえるのではないでしょうか。

本音と建て前を上手に使いこなし、きちんとした応対ができる人材を見極めることも、第二新卒採用を成功させるカギとなります。

④入社後の教育は丁寧に行う

エンジニアを未経験で採用するのであれば、特に入社後、1年間の教育はしっかりと丁寧に行いましょう。

前述の通り、一度退職を経験した人間は、仕事を辞めることにそこまで抵抗を感じません。

さらに、前の会社で社会人としての行動規範が学べている反面、自分にとっての当たり前ばかりが先行して、新しい会社の風土に馴染めない場合もあるのです。

第二新卒であっても、入社後、1年目は特に丁寧に人材教育を行い、適宜フォローを入れていきましょう。

「仕事を辞めたいな」と感じていても、そこからのフォローがあるのとないのとでは、大違いです。

仕事に対する要望や、入社後に感じているギャップ、つまずいていることを丁寧にヒアリングし、適切な解消に努めましょう。

まとめ

エンジニアの未経験採用におけるメリットとデメリット、面接などの場で人事が見るべきポイントについてまとめました。

未経験採用、つまり第二新卒枠でエンジニアを獲得するのは、きちんと人材として育つかリスクがともなう場面もあるでしょう。

しかし、応募者本人も気がついていなかった、前の職場では発揮できていなかった仕事適性が開花する、そんなメリットもあるのは事実です。

事前のマッチング、入社後の手厚いフォローで離職はいくらでも未然に防ぐことができます。

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