採用活動において、市場の変化があり利用するツールやチャネルは日に日にアップデートされています。近年はSNSアカウントを開設し、採用広報活動を行っている企業も増えてきております。
現在ユーザー数を伸ばし、注目されているTikTokでの採用についてご紹介してまいります。
TikTokとは?
ByteDance社が運営しているモバイル端末向けショートビデオプラットフォームです。15秒〜3分と動画コンテンツの中でも、短尺のみを掲載するSNSで、現在米英ではYouTubeの利用時間を上回っている最大動画サイトです。
現在流行りの曲や流行語の発祥地化しており、TikTokを見ることでトレンドを把握することも容易になります。
TikTokが人気の理由
ここからはなぜTikTokが人気なのかをご紹介してまいります。
コンテンツ制作の容易さ
動画コンテンツの中でも、コンテンツ制作が簡易的な点が人気の理由になります。動画コンテンツ市場の中で1番有名なのがYouTubeですが、YouTubeの動画撮影・編集は、数時間〜数日かかってしまいますが、TikTokはものの数分でコンテンツを作成することが可能となります。そのため投稿頻度を担保し、手軽に投稿できることがユーザー数獲得に至ったのだと思います。
レコメンド機能
TikTokは視聴側の趣味・嗜好をAIが分析し、おすすめ表示を勝手に表示するようになっているため、従来のように検索することなく興味・関心の高いコンテンツを表示します。また今までは「何を見る」のかを選択しておりましたが、TikTokはスワイプ毎に勝手に表示させるため究極の受動的SNSツールになっています。
また拡散力も高く、TwitterやInstagramなどのフォロワーのみではなく常に興味・関心の高いユーザーへレコメンドされ、視聴されることでまた違うユーザーへと網目状で広がっていくことが特徴です。
エンゲージメントの高さ
動画コンテンツの中でも「ながら見」のように作業と同時並行できなく、ユーザーが動画を視聴しようとする意識が高く、「いいね・シェア・コメント」などのエンゲージメントを得やすい仕組みになっています。
エンゲージメントが高まることで、レコメンド機能で表示されやすくなりファンを獲得することが可能となります。
TikTokで採用活動はできるの?
結論、採用活動はできます。実際にお取り組みされている三和交通社の吉田様にインタビューさせていただた記事がございますので、ご覧ください。
三和交通社では、TikTokの始まりは、役員が個人でアカウントを持っていたことから会社で行うようになったことがきっかけだったそうです。
事業とは関係のないエンタメ性のある企画をあげることもあれば、営業所紹介など交えながら投稿することによって、企画などで惹きつけつつ、どんな会社なのかもしっかり発信して認識してもらっています。
従来の求人とは異なり社内の様子や社員を露出させることによって、動画だからこそ見える情報を出していったことは、競合や採用市場において差別化を図っていらっしゃいました。
他にも、三陽工業株式会社の取り組みが朝日新聞デジタルにて紹介されております。
今春に開かれた新卒採用のオンライン説明会で、参加者90人のうち、約7割が同社のティックトックを見ていた。来春に入社予定の新卒内定者8人のうち3人は、動画を見たのがきっかけで応募をしたという。
内定者の一人は、「おじさんたちの姿に衝撃を受けた。ティックトックに取り組んでいる企業は珍しく、時代の流れに対応できるのではないか」と考え、応募したという。3月に573件だった中途採用の問い合わせは、10月には3割近く増え、718件に増えた。
引用:https://www.asahi.com/articles/ASPD16QVNPCDPIHB00Y.html
実際に当社リアステージでも、TikTokアカウントを開設し5ヶ月で5000名のフォロワー、1名の入社に至りました。TikTokのイメージである若者向けSNSから、他の層も取り込みユーザーの幅も広がっていると言えるでしょう。
TikTok採用のメリット
ここからはTikTokでの採用のメリットをご紹介してまいります。
拡散力が高い
TikTokが人気の理由でもお伝えしましたが、やはり拡散力の高さは他のSNSツールと比べても群を抜いていると言えるでしょう。キーワードを検索せずとも、自身の興味あるコンテンツが受動で流れてくるため流行りの曲やハッシュタグを利用するだけで、候補者へリーチすることが可能となります。
情報量を増やせる
Forrester ResearchのJames McQuivey博士によると、1分間の動画は一般的なWEBページの3600ページ分の情報量と言われています。またその動画作成も、アプリ内で簡単に行うことが可能となります。
求人広告やWebサイトに掲載することよりも、動画によってより企業や社員のリアルを伝えることができるかつ、ショートムービーのため視聴ハードルが下がるためより多くの方に視聴していただきやすくなります。
TikTok採用のデメリット
若年層が活発なユーザーのため新卒や第二新卒での活用効果が見込める反面、デメリットも同様にあります。これよりTikTok採用におけるデメリットをご紹介してまいります。
ユーザーの匿名性が高い
TikTokはユーザーの匿名性が高いため、エントリーに至るためのハードルがやや高いです。特に最初から個人情報を取得するとなるとFacebookやLinkedinに比べると、コメントやフォロワー数に比例しない可能性があります。
情報収集のツールよりは娯楽として利用する人も多いため、見せ方次第になります。
炎上の恐れがある
拡散力の高いツールは炎上の可能性も高まります。またTwitterと異なり、コンプライアンス関係ない点でアンチコメントが来ることも多いです。むしろアンチコメントに対して、返していくことで「バズる」こともあるのがTikTokです。この点では事前に対応策や運用のルールを定めてから、会社としての方針に沿って投稿しましょう。
TikTokを運用するにあたって
運用のコンセプトを決める
まずはコンセプトを決めるとことが大事です。仮に採用を目的とした際に、どのような内容を投稿するのか、動画で伝えたいことは何かをTikTokの属性に合わせて投稿することをお勧めします。
ファンを獲得しているアカウントの共通点
- 登場人物が同じ
- 採用以外のコンテンツも配信
- 企画やコンセプトに沿っている
こういった点は押さえておきましょう。特にコンセプトと登場人物はファン化させるために重要な役割になります。
運用ルールを設ける
会社として運用する場合は、どのような方針で行うのかを明確にしておきましょう。前述したように、炎上やアンチコメントなどが起こる可能性が高いため、そのような事態が起こった際の対処法であったり、会社としてどのような情報までを露出していくのかをあらかじめ握っておきましょう。
またKPIなどを設定し、いつの何時にどの程度投稿するのかを設けることによって、ユーザーから認知を獲得しやすくなります。
動画をバズらせるには?
動画を投稿しても、見てもらわなければ情報が届きません。最後に動画のバズらせるための方法をご紹介してまいります。
広告を使う
1番手っ取り早い方法は広告課金をし、必然的にユーザーに届くようにすることです。広告の種類も複数ありますが再生課金などは1回のアクションに対し数十円~数百円程度で配信できます。
動画の質が高ければ費用対効果も高く、コメント制限をかけることもできるため、ユーザーに届くかつアクションに繋がりやすいとも言えるでしょう。
「自社でアカウント運用するのは・・」「炎上して企業イメージダウンが怖い」という方であれば、最初は広告を打ってみるというのも一つの手段になります。
アルゴリズムを理解する
TikTokは拡散力が最も強いSNSといっても過言ではありません。TikTokはおすすめに掲載されると、不特定多数の方のおすすめでユーザーにレコメンドされるため、多くの方に動画を届けることができます。
また動画の試聴時間やリアクションによっては、アクションしたユーザーへ自動的に動画をレコメンドし、興味づけを強固にすることが可能です。
前提としてTikTokのアルゴリズムを知ることが大事です。先述しましたが、動画を投稿しおすすめに載った際に、視聴時間やリアクションを経て、AIが動画の質を分析し反応した属性へリーチしていきます。AIが見ているポイントをご紹介します。
- 視聴時間の長さ
- いいねが多い
- コメントが多い
- シェアが多い
上記4つは押さえておくべきポイントです。またここに加えて初速が大事になります。初速でのアクションを獲得することで、自動的におすすめへ掲載されるようになります。
冒頭の数秒が大事
初速を早めるためにも、冒頭の数秒が重要になってきます。TikTokはスワイプし次の動画を再生することができるため、2-3秒で興味ある動画かを判断し視聴継続か否かを決めるため、冒頭での情報が大事になります。
ファン化させる
SNSが伸びる背景としては、一定数のファンを獲得することが重要だと思います。そのファンは、個人でも会社でも良いかと思います。
例えば同じ社員に出てもらい続け、個人個人のファンを獲得することや特徴的なキャラクター設定をすることなどが考えられるでしょう。また一目見て「○○だ!」と認識していただくことで最初の数秒から視聴していただけるため、画角や服装など最初はあまり変えずに行うことで、一瞬で誰の動画かを理解してもらえます。
まとめ
TikTok採用についていかがでしたでしょうか?気になる採用担当の方も増えていますが、なかなか踏み出せずにいるとご相談をいただくことも増えてまいりました。
まずは会社のカルチャーとTikTokの属性が合うのかどうか、もし合うとすればどのようにリーチしていくべきなのかを御検討されてみることをお勧めいたします。