未経験で採用したエンジニアに研修を行う際の手順やポイントを紹介!

はじめに

AI、IT技術の発達により、エンジニアを必要とする企業は年々増加しています。

IT業界では人手不足に悩む企業も多く、人材の確保は重要課題となっています。

ITは専門技術が必要となり、知識を有している人や、前職での経験者を採用したいと考えている企業は多いでしょう。

しかし、IT業界全体で人員が足りておらず、経験者は取り合いになってしまいます。

そのため経験者にこだわらず、未経験者を採用し、自社で育てられる仕組みがあれば、有利に人材を確保できるでしょう。

今回の記事では、未経験者採用の研修について説明していきますので参考にしてください。

未経験採用だからこそ研修が重要!

IT業界に限らず、一般的にほとんどの企業で、新入社員向けに研修を用意しています。

特にIT業界は、高い専門知識とスキルが必要となります。

さらに企業によっては、使用しているソフトウェアが違ったり、独自のシステムを導入したりしていることもあり、経験者であっても最初のうちは実力を発揮することは難しいでしょう。

そのため、知識・経験のない未経験者への研修は必須といえるでしょう。

研修制度を確立しておけば、未経験者でも安心して就職できるようになるので、採用の間口は広がります。

また未経験者は経験がないことはマイナスではありません。

先入観なく業務を学んでいけるため、自社の方針に合わせて、柔軟に育成できるというメリットがあります。

未経験採用したエンジニアにはどのような研修を行う?

未経験採用の研修が必要だとわかっていても、どのような研修を準備すればいいのか悩まれるでしょう。

研修の期間は限られているため、その限られた時間の中で、いかに効率良く仕事を覚えてもらうかが大事です。

研修は、ただ業務内容を詰め込めば良いというものではありません。

教える内容だけでなく、研修の順序も重要です。

それではどのような内容を準備し、どの順番で研修を進めていけばいいのかを説明していきます。

これから研修制度を導入される方、研修内容を見直したい方は参考にしてください。

まずはビジネスマナー

エンジニアは技術が高ければ良いわけではありません。

顧客やクライアントとの打ち合わせや、問い合わせがあった場合には対応をしなければならず、最低限のビジネスマナーは必須です。

優れたエンジニアであっても、マナーがなければ顧客から信用を勝ち取ることはできません。

エンジニアがマナー違反をすると、エンジニア個人だけでなく、社員を教育できない会社というイメージがついてしまい、会社全体の信用を損ねてしまう場合もあります。

エンジニアの技術を正当に評価してもらうためにも、ビジネスマナーは、研修の最初に導入するようにしましょう。

また、ビジネスマナーを学ぶことで、社会人になるために気を引き締める効果が期待できます。

中途のポテンシャル採用であっても、実施しておくに越したことはないでしょう。

ITインフラの基礎知識を教える

エンジニアの研修では、まずITインフラについて説明をしましょう。

ITインフラではパソコンの周辺環境に関する知識を学びます。

会社で推奨しているパソコンのOSやスペックの説明、会社でパソコンを支給している場合には、そのパソコンの使用方法を説明しましょう。

次にネットワークの説明です。

ネットワークを悪質なネットワークにつなげてしまうと、企業情報の漏えいにつながりかねません。

外出時などに使用するネットワークには注意しましょう。

インフラの基礎知識で重要な部分はサーバーとストレージの研修です。

プログラム、ファイル、メールはどのサーバーやストレージを使い、どのように管理をするのかは企業によって大きく違います。

経験者・未経験者問わず、丁寧に説明をしましょう。

業務上で特殊なアプリなどを使用する場合には、アプリのインストールと使用方法も研修で済ませるようにしましょう。

プログラムの基礎研修

プログラムの基礎では、プログラミング全体の流れとプログラミング言語の研修を実施します。

プログラミング全体の流れを把握することで、自分がどの部分を担当しているのか、自分の担当外でどのような業務があるのかを把握できるので、自分の業務外の担当者とも連携を取りやすくなります。

また、自分の業務外の仕事を知ることで、各担当に配慮した仕事ができるようになり、業務も円滑に進むでしょう。

業務の流れを理解したあとに、開発に必要な基礎を学んでいきます。

C言語、Java、Python、などのプログラム言語の中から、自社で特に使用頻度の高い言語に集中した研修をすると良いでしょう。

プログラム言語はエンジニアスキルの要になる部分です。

未経験者で知識も少ない人向けには、しっかりと研修を行い、参加者が基礎を完全にマスターできるまで研修を継続しましょう。

知識をつけたあとに実践研修

プログラミングの基礎研修が終わったあとには、実践形式の研修を実施します。

実践形式は、実際の業務に近い形で行うことで、研修終了後に即戦力としての活躍が期待できます。

例をあげると、参加者同士でチームを組み、システムやアプリ開発の課題を設定し、納期までに提出をしてもらうような形式です。

経験者と未経験者をチームで混ぜる、経験者と未経験者をわけてそれぞれに課題の目標設定をするなど、研修の方法は多種多様にあります。

チーム分けや課題の難易度はさまざまですが、この実践研修で大切なことは、ゴール設定を明確にすることです。

ただ課題のシステムやアプリを作成して提出するだけでなく、チームワークを学んでほしい、どのレベルのシステムを開発してほしいといった目標を明確にするのです。

この目標が共有されていることで、実践研修はより効果的になり、終了後に企業が求める人材へと育つことができるでしょう。

未経験採用のエンジニアに研修を行う際のポイントは?

ここまで紹介した研修は経験者、未経験に限らず行うことが多いです。

経験者と未経験者が混同する研修では、未経験者は劣等感を抱いてしまうケースが多いです。

なんのケアもせずに研修を進めてしまうと、せっかく採用した人材が、研修後すぐ辞めてしまうことにもなりかねません。

同じ研修をする中で、未経験採用のエンジニア研修では、どんなポイントに気をつける必要があるのでしょうか。

次に、未経験採用のエンジニアに研修を行うポイントについて、4つ紹介していきますので参考にしてください。

コミュニケーションをしっかりと取る

未経験で採用された社員は、不安を抱えていることが多いです。

未経験者とは特に、積極的なコミュニケーションを取るよう心がけましょう。

研修内で毎日決まった時間に面談の時間を設けたり、1日の終わりにアンケート方式で悩みを抽出したりすることが効果的です。

また、エンジニアは業務の性質上、パソコン内で業務が完結してしまい、社員が抱えている悩みや課題がわかりにくいといえます。

入社後に業務に行き詰まって、悩みを抱え込み、退職をする社員も多いです。

実践研修時は各チームに先輩社員を配置し、悩んだときに相談できる、アドバイスしてくれる存在を作っておくと、未経験者はより安心できるでしょう。

研修後に相談者を近くに置いたり、共有サーバーで成果を確認できたりする状態を作ると良いでしょう。

研修の目的を明確にする

研修を行う際は、必ず目的を明確にしましょう。

目的は企業によってさまざまです。

この研修が何を目的にしているかを明確にすることで、参加者はその目的を常に意識しながら学ぶことで、効率が良くなります。

たとえば研修がエンジニアとしてのスキルアップを目的としているのか、それとも業務フローを学ぶことが目的で、プログラミング言語は基礎だけ実施し、あとはOJTで教えるというように具体的な目的を伝えましょう。

エンジニアの育成、スキルアップを目的としている場合には、ゴール設定をするとより良いです。

プログラミングは深い知識と理解が必要となります。

研修を通じて、「このレベルまで知識とスキルを高めてほしい」というゴールを明確にするのです。

個々の実力に合った内容にする

未経験者の中でも、プログラミングのスキルの差や、PCスキルの差はあります。

社員のレベルに合わせたカリキュラムを準備しましょう。

未経験者は、はじめての業界で仕事をするので、不安を抱えています。

いきなり難易度の高い目標設定をされたり、難しい内容の研修を受けたりすると挫折してしまいがちです。

研修の中でもわからない部分について質問しやすい環境を作ったり、振り返りの時間を作ったりするなどの方法があります。

また、学校の授業のようにカリキュラムを教科のようにわけて、レベルに合わせて受講する研修の数を変えることも1つの方法です。

いきなり実務レベルでのスキルを研修で習得することは難しいです。

個々の実力にあった研修内容を準備できるようにしましょう。

外部の研修サービスの使用も検討する

エンジニアとして活躍するためには、プログラミング言語の習得は欠かせません。

社内で研修を実施する場合は、プログラミングに詳しい社員を講師として招く必要があり、会社の業務に支障をきたす可能性もあります。

特に未経験者であれば、言語の習得に時間がかかります。

社内で講師を確保できない場合は、外部での研修を用意することも1つの方法です。

受講の方法は講師に自社へ来てもらい研修をする派遣型と、社員が通う通学型から選べます。

また最近では、オンライン形式での受講なども増えています。

外部に委託をする際には、研修プログラムに、自社で使用頻度の高いプログラミング言語の研修が組み込まれているか、研修終了後に会社が求めるレベルまで成長させてくれるかを見極めましょう。

受講形式や受講させる人数によって費用は変わってきます。

まずは社員が受講しやすい方を選ぶと、社員の意欲は高まるでしょう。

まとめ

今後もITやAIはより発達していき、エンジニアの人材確保は一時的な問題ではなく、将来もずっと続いていくでしょう。

そのため、経験者だけの採用間口しか用意をしていなければ、人材の確保が進まなくなるおそれもあります。

未経験者の教育は時間と手間がかかります。

しかし、自社で教育のシステムが確立できれば、大きな強みとなるでしょう。

育成が大変な分、ほかの企業での経験など、先入観がない分、自社の方針を吸収しやすいというメリットがあります。

未経験者を育てられれば、自社にとって大きな戦力となってくれるでしょう。

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