今回は設立1期目のテラDXソリューションズ株式会社 最高執行責任者の鈴木さんに、スタートアップ企業の採用戦略〜オンボーディングまで、お話をお伺いしてきました。
鈴木さん自身、採用歴0年からのスタートということで、未経験スタートの方々の参考になればと思います。
テラDXソリューションズ株式会社とは?
EV革命、ドローンによる空の産業革命を実施してきたテラグループの一員であり、建築業界のDXを推進すべく設立。
現在、住宅施工分野では大手損害保険会社と共同で自然災害時の家屋修繕サービスや屋根・外壁施工Webサービス「クイック屋根工事」を提供。また、建築DX分野では足場施工会社向け管理ソフト「足場オヤカタ」の提供を行っている。
インタビュー協力者 鈴木 剛
早稲田大学商学部卒業後、外資系製薬メーカーへMRとして入社。その後、慶応大学大学院MBA課程卒業、アフリカで事業責任者を務めたのち、テラモーターズ株式会社へ入社、ベトナム支社長就任。
その後一度離れ、株式会社MTG英国子会社CFOを務めるものの、再度テラグループへ出戻り、テラドローンの南米拠点責任者や新規事業責任者を経て、現在は、新会社のテラDXソリューションズ株式会社 最高執行責任者として従事。
https://www.wantedly.com/companies/terra-drone/post_articles/157641
採用において、まず初めに行なったこと
今回はお時間いただき有難うございます!
弊社にお声がけいただいたご縁もあり、採用活動のご支援をさせていただきました!
鈴木さんの中で、採用活動をするにあたり、まず初めに何から始めたのでしょうか?
まずは会社のビジョン実現に向けて、どんな人材が必要なのか、素養を言語化しました。
現在弊社では、2つの事業と他に、新規事業の立ち上げを行なっております。
そのため、入社後のメンバーには、決まりきった業務ではなく、色んなことを経験してもらう可能性が高いです。
ですので、希望の職種を絞り込んでいるような求職者は採用ターゲットから外しました。
イメージで言うとオープンポジションに近い形かと思うのですが、採用像の共通点などはありましたか?
そうですね。まず、なんでもできる、もしくはなんでもやりたい人を軸に置いていました。
弊社はスタートアップということもあり、業務幅が広いだけではなく、業務内容が頻繁に変わっていきます。
ですので、目まぐるしく変わる役割に前向きに挑戦していける人材と働きたいと思っております。
そして、こうした特徴は、特に若手に当てはまることが多いと考えています。
おそらく、好き嫌いの少ない傾向があるからでしょうか。
スタートアップの初期フェーズは特に、柔軟性の高さは重要ですね。
俗に言うスポンジのように、吸収力の高さは若手採用で期待できますね!
そうですね。それに、そうした人材を惹きつける自信もあります。
もともと、弊社には「次のホンダ、パナソニックになり、世界に貢献できる企業になり、日本経済を向上させる」というビジョンがあります。
そして、そのためには、日本経済を担っていく次の世代の若手の成長機会が必要です。
言い換えれば、「若い人にチャンスと経験を与えたい」という考え方が根本にあります。
ですので、当然、若手の育成には特に力を入れています。
大手企業をはじめとして、挑戦する機会が少ない会社が多いですから、そうした組織で伸び悩んでいる求職者の方にとっては絶好の環境に映るでしょうね。
もっというと、大手企業が、「挑戦できない・成長ができない」と巷で言われている原因のひとつには、「成長に不可欠である失敗が決して許されない文化」というのが大きいと思います。
一方で弊社には、若手に任せる文化があり、多くの失敗を経験することができます。
実際にテラグループでは20代前半で支社長や事業責任者を任される人間が少なくありません。
私も26歳でテラモーターズのベトナム支社長を務めていました。
ですので、チャンスや経験を積みたい方にとっては、絶好の環境だと思っているので、若手に挑戦してもらいたいです。
若手から挑戦できる環境とのことですが、実績などはありますか?
現在、26歳や23歳が事業責任者として、2・3段階レベルの高い業務に挑戦してもらっております。それ以外にも新規事業立ち上げや広報に携わり、会社を牽引しているメンバーも多いです。
採用ツールの選定方法
かなり裁量のある社風ですね!
「なんでもやりたい・成長したい若手」という採用ターゲットに対して、「挑戦・失敗できる環境」「育成に力を入れる文化」というのは響きそうですね。
さて、人物像を明確にされた後は、いよいよ採用活動が本格化していく訳ですが、弊社以外にも人材・HR領域のサービスはたくさんありますよね。
貴社ではどのように、選定されたのでしょうか?
当初から、人材紹介サービスを利用することは決めていました。
社内には、採用経験者はいませんでしたし、スタートアップならではですが、採用以外にもやることが多く、リソースが非常に限られていました。
そういった経緯でしたか。
採用未経験とのことでしたが、人脈など何もない中で、どのようにして鈴木さんは質の高い人材紹介会社を探しましたか。
多くの知り合いから紹介いただいた人材紹介会社からロングリストを作成して、その中でもできるだけ数多く会社と面談して、打ち合わせをしていく中でショートリストを作成していきました。
人材紹介サービスは、どの会社なのかだけではなく、どの担当者なのかで採用の推進力が大きく変わると考えており、
採用推進を伴走してくださると感じた担当者との付き合いを深めさせて頂きました。
その中で、弊社のサービスも残れてよかったです(笑)
入社後の体制とは
また、弊社から実際に入社が決まった方がいらっしゃいましたが、入社後のオンボーディング(入社後活躍を促進する一連の施策)は、どのように進めましたか?
大きく分けると2つです。
教育・育成体制
1つは、ステップアップを意識した業務内容です。
基本的には、初期段階では、
弊社の中では比較的、勝ち筋がある程度見えている業務を渡すようにしています。
これは先ほどいったこととは少し矛盾してしまいますが、特に、若手に起きがちですが、やり方もわからず、我流で取り組んで失敗してしまうと、その恐怖心で挑戦しなくなってしまう可能性があるからです。
ですので、既存社員が勝算のある手段に落とし込んだ後に、新入社員が担当し、まず成功体験をつかんでもらうということを意識しています。
そして、成功体験をつかんでもらった後に、早いスピードで一歩ずつ難易度が高い業務に移ってもらいますね。
それ以外でも、コミュニケーションに関していえば、1対1で話す場面の頻度を既存社員よりも多くすることで、個人のレベルと業務内容がすりあっているかを確認しております。
文化形成
2つ目は文化醸成です。先ほどと同様に新入社員は業務内容だけではなく、会社の文化に関しても未知な部分が多いです。
今までは、視座や基準を言語化しなくとも分かり合えるメンバー同士だったので、阿吽の呼吸で連携しておりました。
しかし、人が増えるにつれ多様化します。
そこで、改めて自社の特性や価値観を言語化し、行動指針とすることで、新入社員が同じ基準で行動できるよう文化の醸成をしております。
ありがとうございます!最初から固めて進めるよりも、フレームワークと状況に応じた柔軟性で対応されていらっしゃったんですね!
まとめ
- まずはどんな人材が合うのか。採用要件を固めること。
- 採用要件を満たす求職者に向けた、訴求点を言語化
- 採用ツールを選定する際は、最初幅広く。そこから絞り込みをかける。
- 社内の体制は固めすぎず、状況に応じた対応策を。
これから採用活動を実施する担当者の方は、是非参考にしてみてください。