今回は採用選考中に現場体験を実施する株式会社アットオフィス 谷さん、江川さんにインタビューを実施いたしました!
なかなか取り入れにくいけど、興味度の高い職業体験(現場体験)をどのように実施していらっしゃるのかに迫っていきたいと思います!
職場体験とは?
言葉のとおり、実際に職場で業務を経験していただくことです。短い企業であれば、半日程度、長い企業だと1週間ほどで行うことが多いです。
候補者にとっても、リアルな現場を選考の中で見ることが少なく、不安を抱くことが多いでしょう。また企業としても、取り組む姿勢や現場間とのコミュニケーションなど、気になるものの、面接の数回で見極めることは至難の業です。
そういった双方の不安に対して、解消できる方法が職場体験です。実例をご紹介してまいりますので、ミスマッチや採用する際に踏み切れない企業様がぜひご覧ください。
株式会社アットオフィスとは?
オフィスやクリニックをはじめとする事業用不動産の新しい貸し方・借り方にチャレンジする会社として、オフィス仲介を中心に創業。オフィス・クリニック・居抜きの仲介を中心事業としながら、現在では仲介以外の多岐に渡って事業展開中。現在は内装デザイン・リノベーションやマンション賃貸など、領域を広げながら成長しているベンチャー企業です。
インタビュー協力者
常務執行役員 社長室長
谷 健太郎
東証1部上場企業でメーカー営業を経験。世の中のサービスやプロダクトの変革を感じながら、よりスピード感を持って事業運営している会社へ挑戦すべく、株式会社アットオフィスへ入社し、現在は人事責任者として従事。
社長室付採用教育担当
江川 茉那
前職ではコンサルティング会社にて、営業事務と採用業務を兼任。営業職としてのキャリアを目指し、株式会社アットオフィスへ転職し、営業職に従事。その後会社拡大に伴い、採用活動の本格化に向け、人事職へ挑戦。
現場体験って?
採用を行う企業が、入社を希望する人に一定期間実際に働いてもらうことで、会社や業務への理解を深めてもらうために行うものです。
新卒採用では職業体験という形でインターンシップ期間に実施し、候補者へ理解度を高めてもらう、興味を持ってもらう一環としても用いられております。
また中途採用でも、入社前・最終選考前などに1日から数日間で業務を体験してもらい、入社後のギャップを減らす活動として取り入れている会社もあります。
職業体験(現場体験)を始めたきっかけ
弊社では最終選考の前に、職業体験をしていただくように、選考へ組み込んで行っております。
職業体験を実施した背景としては、採用活動を始めた際に弊社の現会長の思いで始めました。
入社後に「こうじゃなかった・知らなかった」と思ってほしくないその一心で始めたのがきっかけです。入社後のギャップは、求職者にとっても会社にとっても不幸せになってしまうと思い、ありのままをお見せすることによって、入社後と乖離しない情報をキャッチアップしていただくようにしています。
当初は納得いくまで見てくださいというスタンスだったため、平均2-3日は業務をしていただいていて、今以上に工数をかけていたと聞いております。
実際に行ってもらうこととは?
基本は営業マンのアポイント・商談同席を行ってもらっています。
2-3件一緒に回っていただき、そこでリアルな営業現場を見ていただきながら、移動時間などは質問や雑談などをして実際の雰囲気や仕事を感じて貰っています。同席終了後、最終選考といったフローで進めています。
現場の営業マンには、包み隠さずお話して貰って構わないことを伝えており、求職者の方にもなんでも聞いて大丈夫とお伝えしています。
会社として透明性を持って接していきたいと思っているので、事前に年収や給与テーブル、評価制度など、かなりリアルな内容もお伝えしております。
時には2-3件のアポイントがない日もあります。
そのため座談会やランチ会、実際のデスク横でデスク業務をご覧いただいたり、社内見学などのコンテンツもサブで用意をしています。
導入した効果は?
もともと実施していたので、自社内ではなく世間との比較になるのですが、内定承諾率に効果があると考えています。
新卒採用では100%、中途採用では80%と高い水準の承諾・入社をいただいています。また、入社後のギャップがないという声もいただいており、これは弊社の中でも大きな収穫だと思います。
また採用での競合他社は、同業ではなく仲介役という観点で、人材紹介サービスの会社やITコンサルタントの会社など、業態の違う会社が多くいる中で、選んでいただけていることも大きな特徴だと思います。
時代や市場の流れもありますが、いろんな業界を見た中で弊社に納得して決めていただけていることはとても嬉しいです。
逆に大変だったことはありますか?
一番大変なことはスケジュール調整に工数がかかることです…!
同行してもらいたい営業マンのアポイントと、求職者の候補日程を調整しなければならないので、どうしても時間を要するので大変です。
結論、労力と時間はかかる点が大きなデメリットになると思います。
候補者が多いとより調整が必要な印象ですが、どう運用しているのでしょうか?
面接での見極めと適性検査を用いて、判断しております!
どうしても時間や人数に限りがあるため、活躍している社員の傾向などから可能性の高い方へ絞っております。実際のところ応募数に対して、20-30%の方が現場体験に進んでいただいている状況です。
全社的に協力的な印象ですが、どうやって巻き込んでいるのでしょうか?
経営陣からの発信の機会を設けています。
ただし、採用活動を実施した当初より行っているため、全社員が現場体験を受けているのである程度理解してくれているのが大きいです。
全社的な発信でいうと、クォーターごとに採用にまつわる話を伝えたり、会社が大きくなるには採用が要になることなど伝えていくことで、協力的な雰囲気作りや文化の一つとして作っていくことができていると思います。
まとめ
採用・入社・定着を一つの線で考慮すると、やはり職業体験をしていただくことは将来的にメリットだと言えると思います。しかし採用人数の多い会社や、リソース不足になるとどうしてもできないケースが多いのが現状です。
改めて、職業体験のメリットとしては
- 承諾率の向上
- 入社後のギャップ軽減
デメリットとしては
- 労力と時間がかかる
- 全社的に巻き込む必要がある
といった点になると思います。
今後は本選考前の職業体験やインターンシップから企業理解を高める方法と並行して、現場体験を通じて入社後のギャップを減らす等の活動が主流化しそうですね!
是非参考にしてみてください!