新卒採用を行う上で、採用ツールの選定は肝になります。特にシーズンが決まっているため、前もって予算や手法を選定し決めた枠組みの中で最大限のパフォーマンスを上げなくてはいけません。
現在注目されている、SNSへ広告出稿し認知度を高める手法を、今回ご紹介してまいります。
SNS広告とは?
ソーシャルネットワーキングサービスに対して、広告出稿を行うことです。ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)は、Twitter、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTokなどが主要となり、様々な形で広告を出稿できます。
SNS広告は、潜在層となるユーザーに広くリーチできることから、
- 企業やサービスを認知してもらえる
- WebサイトやLPへ流入が見込める
上記2点を目的に運用することが多いようです。
なぜSNSなのか?
今回は新卒向けでご紹介させていただいているのですが、現代の若者世代を知ることが大事です。
デジタルネイティブ世代
現代の20代前後、2000年代の就活生は「デジタルネイティブ世代」「Z世代」と呼ばれています。この世代の特徴としては、生後よりインターネットが普及しており、情報量の多い中で取捨選択することを求められてきました。GoogleやYahoo!といった検索エンジンを利用し、調べることはもちろん友人や家族との繋がりをSNSを通じて行ってきている点です。
また情報収集する方法も、Google・Yahoo!などの検索エンジンだけでなく、SNS内の検索やタグを利用した検索などを取り入れており、一般消費者の口コミや投稿などの「リアル」な点を考慮した上で、取捨選択するような行動を行います。
実際に、Z世代会議では6割以上の人が3時間以上のSNS利用していることが挙げられており、SNSがライフスタイルの一部になっていることは顕著です。
SNSアカウント運用との違いは?
SNSアカウントを運用し、広げていく手法もあります。特にアカウント運用型は初期費用がいらず、ものの数分でアカウント開設ができます。しかしアカウントを育てる必要があるため、広告に比べ工数や時間を要するでしょう。
逆を言えば、自社でコントロールでき、発信する内容やコンセプトなど時期に合わせた情報発信ができます。
アカウント運用に関しての詳細はこちらの記事をご覧ください。
その中で広告出稿するとどのようなメリットがあるのかご紹介してまいります。
潜在層に届けることが可能
潜在層に届けることが可能になるという点で、アカウント運用とは異なります。顕在層となる就活アカウントや企業探しをしている方だけでなく、20代、大学生という広い枠組みでリーチ獲得をすることが可能となるため、今後の就活世代へも自社の認知を獲得することが可能となることや、プライベート・私生活用の方へも能動的にアプローチできる点が異なります。
アカウント運用でも「バズる」「拡散される」ことがあれば、一時的にリーチを獲得することができますが継続的でない点や、企業アカウントであれば保守的な運用のため、そもそもバズりにくいケースが多いです。そのため自分たちから、就活生に届くような努力を行わなければなりません。
即効性が見込める
次に即効性です。アカウント運用は長期スパンで育成が必要です。アカウントとして見られる必要があり、その後ファンを獲得していかなければならないため、時間や工数がかかることが前提となります。
それに比べSNSへの広告出稿は、前述した通り自動でリーチすることが可能です。またSNSを登録する際に、年齢や性別、居住地を登録するケースが多いため精度の高いターゲティングや絞り込みが可能となるため、訴求する文言やクリエイティブ次第で、自社サイトやエントリーフォームへの導線を作ることができます。
またタイムラインに馴染む、インフィード広告が主流のためユーザーに読んでもらいやすく、フォロワー外へも発信できる強みがあります。
工数削減
重複しますが、アカウント運用は長期スパンで育成していくことが重要とお伝えしました。フォロワーを増やすための施策やフォロワーをファン化させる施策、そして実際にエントリーや参加いただくためのタッチポイント作りなど、フェーズによって行うべき要素が変わるため、1年で大きな成果を上げることは相当の時間と人件費を投下する必要があります。
それに比べ広告はセグメントやターゲティングを明確にし、登録されている母数へ一気にリーチしていくため、工数削減が見込めます。
求人広告との違い
重複する点はありますが、求人広告との違いも併せてご紹介していきます。
確実に情報を届けることができる
求人広告との違いは、自社の情報を届けることが可能となる点です。現在就活生にとって、企業を検索するための検索エンジン化された求人広告・媒体は、そもそも就活を行う方が能動的に調べていく必要があるため、事前に知っている企業やその企業の類似企業、業界を調べるために利用されるケースがほとんどでしょう。
自社を知らない場合、広告費用を上げるか他の施策を検討しないと、自然流入が見込めなく、有名企業に埋もれてしまうケースが多いです。また有名企業へエントリーするために利用し、他の企業は別の手法で探すといった学生も増えているようです。
このような利用方法の違いや行動フローを考えると、SNS広告の利点は多くあると思います。
コストを抑えることが可能
SNS広告はクリック課金が主要となっており、1クリック24円〜200円前後が平均となります。1ヶ月運用で平均30万円前後のため、他の採用ツールと変わらないないしは、コストを下げることが可能になります。
ダイレクトリクルーティングと異なり、採用担当や人事が候補者を探しスカウト文を作成して送付することに比べると、遥かに工数を削減することもできます。その時間に違う業務を行うことで、効率化を図ることも可能です。
ショットで行うことも可能のため、効果次第では有効的な手段と言えるでしょう。
SNS広告を利用するデメリット
広告利用するデメリットもご紹介してまいります。
前例や事例が少ない
企業の採用という観点で、事例が少ないため効果や検討材料が少ないことが挙げられます。実際に人材会社ではSNS広告を用いて集客できておりますが、切り口が異なるため採用の実績としては事例がごく僅かかと思います。
逆に考えると、競合他社が利用・導入していないという点で差別化を図ることは可能になります。
社内に有識者が必要
広告運用やマーケティングの知見がある人がいることが好ましいでしょう。理由としては、広告代理店の選定やターゲティング方法、運用、効果測定などを行う際に、どのような点でうまくいっているのか、うまくいっていないのかを理解することが難しい可能性があります。
丸投げをした上で、全く効果が出ないやちゃんと運用してもらえていないなどとなると、広告の効果以前の話になってしまいます。良質な企業にお願いし、意見交換を行いながら運用を行うために有識者ないしは、広告運用・マーケティングに関して知識を入れておく必要があります。
広告を出すまでに準備するポイント
広告運用は、基本広告代理店へ依頼するケースが多いと思いますが、代理店を選定や打ち合わせまでに、採用チームで準備しておくことをご紹介いたします。
ターゲットを明確化
採用ターゲットを明確にしましょう。ターゲットを明確することには2つの利点があります。
1つ目は、ターゲットが応募したいと思えるような情報を整理し、施策や打ち出し方を考えることが可能となるためです。単純に募集をかけても集まらないためSNS上で見た際に、気になると思っていただくためにも、ターゲットがどのような志向を持っていて、どのようなキーワードを好むのかなど想定していきましょう。
2つ目は、SNS広告のメリットにある、ターゲティングやセグメントを欠けることができる特徴があるため、どのようなユーザーに認知を獲得したいのかを明確にしましょう。あまりにも極端なセグメントは母数を減らしてしまうため広告では有効的ではないですが、どのような要素を大事にしたいのかを明確にしておくことで、母集団の質を向上することが可能になります。
採用テーマやコンセプトの軸を決める
打ち出し方や方針を誤らないように、予めどのような目的で広告を出すのか、どんな軸で採用活動を行っているのかを決めておきましょう。単純に広告を出す=母集団形成ができるというわけではないため、コンセプトやテーマもある程度言語化した上で、共感・興味・関心を持っていただけるような設計を行いましょう。
まとめ
SNS広告での採用活動に関して、いかがでしょうか。前例が多くないものの、既にYouTubeやTwitterなどで、採用向けの広告を出港している企業も増えてきております。なかなか差別化を図りにくい中で、1つ手法として検討してみるのも良いかと思います。