今回は株式会社ネタもと 人事責任者の加藤様に取材させていただきました。今年の1月に着任されたのち組織課題である理念浸透に向けて行われている施策などをお話しいただきました。ぜひご覧ください。
株式会社ネタもととは?
株式会社ネタもとでは、「すべての人にPRを!」をミッションに掲げ、「メディアとの接点」「PRのノウハウ」「ヒト」をご提供しています。オンラインサービスではPRのプラットフォームを運営し、オフラインでは経営者・広報担当者向けの交流会や勉強会を行い「メディアとの接点」「PRのノウハウ」の機会創出を行い、将来的に3カ年で企業様の広報体制を創り出すことをゴールにサービス提供しております。
インタビュー協力者
人事部責任者 加藤 恭子
2018年 新卒入社 ビジネスプロデュース部配属 新規法人営業。1年目下期トップ売上
2019年 リーダーに昇格。部下のマネジメント経験をする。3年目では最大5人の部下を持ちチームとして活動
2021年 ネタもと初の人事への異動。採用責任者となり、新卒採用・中途採用・SNSなどを担当。
直面した会社の課題とは?
年々組織拡大をしているのですが、現在ある課題としては「理念・文化浸透」が見えてきました。例年、考え方や方向性の違いが生じて離職をされる方が一定数いらっしゃいました。組織が大きくなるにつれて社員が多様化していきますが、組織をまとめるには考え方や価値観の共感・一致が大事だと思い、採用や社内の取り組みを変えていきました。
採用における取り組み
組織改革する上で、採用において行ったことをご紹介してまいります。
採用計画の見直し
まずは採用計画の見直しを行いました。従来の採用計画では、営業職としてポテンシャルがありそうか、コミュニケーション力、人柄が合いそうかどうかが判断軸となっておりました。そのため会社に対する理解や共感といった点をさほど重要にしていなかったため、カルチャー面での不一致が起こっており、改めて採用ターゲットの明確化、判断軸、質問や選考フローなどの見直しをかけました。
採用ターゲット
今までは、営業のポテンシャルやコミュニケーション力を面接合否の上で重要視しておりましたが、22卒の新卒採用からは「将来ビジョン」を持っているかどうかに重きを置きました。
理由としては弊社の理念が「会社の看板なしに家族や大切な人を守れる人に」を掲げており、社員に対してもご自身が本当になりたい姿や、やりたいことを実現するためのステージとして株式会社ネタもとで働いていただきたいと思っています。当社で働く中で学べることや得られるものがご本人の方向性と一致することがとても大切です。
またビジネスにおいてだけではなく、プライベートでの理想やビジョンも聞かせていただいております。この2軸において社員全員が高い志を目指している組織にしていきたいと思っています。
面接・評価ポイント
上記のターゲット変更と同時に、面接内での質問や見る観点も変更いたしました。将来ビジョンを深堀りさせていただき、ご本人の本質や考え方などから判断するようになりました。
具体的に「○○歳までに社長・起業を目指したい」という方もいれば、「20代で〇〇万円稼ぎたい」という方もいたり。目指す方向はバラバラでもご自身の核や芯を持っているどうか、当社の理念に共感できるかをお伺いしています。
どんな仕事でも挫折したり、壁にぶつかったりとうまくいかないことがあります。そんなときでも、目標やビジョンを元に「ネタもと」で働く目的が明確であれば、ご自身を支えて働く糧になると思い、重要項目として設定しました。
採用広報・選考フロー
自社の考えやカルチャーを見せていくようにいたしました。具体的に始めた施策としては大きく2つあります。
1つ目はSNSに注力し始めました。当社ではSNSの中でもInstagramの更新をメインに行っております。発信する情報は、表彰者の紹介や、達成会や内定式、誕生日会などのイベントなどを更新しております。会社のスタンスとして、コロナ禍でも出社していたり、社内交流を行っているため、候補者の方の中にはそういったスタンスが合わない方もいると思います。双方が不幸にならないためにも、リアルを載せる事によってエントリーマネジメントにつながっていると思います。
また社風などの言語化できない要素であることから写真を通じて見える化できる点と、大学生の中でも利用頻度の高いInstagramをまずは取り入れました。
説明会後にアカウントや写真を共有させていただき、見た上でご本人に選考の意思があるかをご判断いただいております。
2つ目は最終面接前で、ご来社いただき社内見学いただくことです。今までの採用において、実務業務をちゃんと理解せず承諾してしまい、内定者インターン時に「思っていたことと違う」という理由で辞退をする方がいらっしゃいました。ご本人にとっても再就活となり大変ですし、当社としても工数をかけている分デメリットが多いと感じていました。
そのため選考の段階でも「営業は本当にキツいよ」ということをお伝えした上で、最終選考前に営業活動の様子をご覧いただいております。特に新卒学生さんでは、営業経験がない方がほとんどですので、実際にテレアポする姿などを見ていただき、認識の齟齬がないようにしたことで、承諾後の辞退率を下げることができました
社内における取り組み
次に「理念・文化浸透」に向けて、社内における取り組みについてご紹介してまいります。
大前提
まずはじめに、理念・価値観に共感した方だけを採用し、ご入社いただいたとしても現社員に浸透していない、体現できていないとなるとギャップが生まれてしまいます。そのため改めて社内へも浸透させることを強化しました。
行動指針の表彰式
当社では行動指針を11個設けており、各社員が体現できている方に投票をし、最多投票数を獲得した社員を表彰する文化をつくりました。
こちらが当社の行動指標なのですが、項目ごとの札を各社員が1つずつ持っており、体現できている社員の名前が書いてあるホルダーに投票するという仕組みです。DX化が進み、可視化できるシステムやサービスがありますが当社では風化してしまうと思い、あえてアナログな手法で行っています。
実際にどれくらいの票が入っているのか全員が見えるため、各個人の念頭においていただきやすいという点も、積極的にご参加いただける理由になるかと思っています。
全社員課題提出・代表面談
改めて既存社員へ課題を提出しました。内容としては
- 人生のビジョン・目標(ビジネス・プライベート)
- 自身の目標を達成するためにネタもとで働いている意味とは?
この2点を各々で考えていただき、アウトプットしていただきました。新入社員としてご入社いただく方々はビジョンをもっていて、既存社員がもっていないというギャップを減らすことと同時に、ご自身が目指す先を改めて考えて頂く機会を設けました。
その課題を提出いただいた上で、代表との面談を実施し「理念・文化浸透」に向けて各々に内省化していただくようにしました。代表が社員ひとりひとりの目標に対して向き合ってくれる時間はとても貴重でした。
今回の課題に関しては、初の試みのため既に何か変化・効果とは至っていないものの、ご自身を見つめ直し知っていただき、改めて当社で働く動機になれば良いと思っております。
まとめ
株式会社ネタもと 加藤様、インタビューにご協力いただきありがとうございました。組織拡大において最重要項目にもなり得る「理念・文化浸透」への取り組みをお話しいただきました。会社を成長させる上で、人材は鍵となります。その中で人事部からどのように働きかけるかが、会社からの期待だと思います。
もし組織課題やカルチャーについて、参考になればと思います。