新卒採用を行う上で採用設計や戦略を立てることが大切ですが、実際どのような事例があるのかわからないケースが多々あります。その中でも今回は採用の方針と実際にどのように落とし込んでいるのかを取材いたしました。
IT×教育の領域で採用責任者を務めていらっしゃる株式会社システムシェアードの松山様にインタビューを実施し、高い定着を叶えている採用活動をご紹介してまいります。
株式会社システムシェアードとは?
Javaによるシステム開発や、IT教育事業を得意とする、秋葉原のソフトウェアハウスです。創業から14年連続増収、年間平均成長率142%のIT企業。
「IT」×「教育」の融合で世界中に最高の「IT教育」 を届けるリーディングカンパニー。
インタビュー協力者
松山仁澤(Matsuyama Inte)
新卒で専門商社に入社。営業マネジメントに10年従事。
2014年、システムシェアード社に人事部部長として参画後、人事部部門立ち上げ、コーポレートアイデンティティーに沿った採用・育成・人事評価まで人事部門全て管掌。現在は新卒採用責任者兼新規事業責任者を兼務。
7つの習慣®専属トレーナー、EQ認定プロファイラー資格保有。
https://www.wantedly.com/companies/3sss/post_articles/208384
どういった目的で新卒採用を始めたのか
−松山さんがジョインした当初は、新卒採用を実施していなかったそうで、今回はどんな経緯で新卒採用を始めようとなったのでしょうか?
カルチャーマッチして、牽引できるメンバーの重要性
「大切な人たちの豊かさを追求します」という企業理念を軸に、「5方良し」を掲げ、ヒューマンセンタードの考えを徹底し、人材への投資、教育への投資は最重要経営課題として位置付けてきました。
新卒に対して期待したことは、何よりこのビジョン、カルチャーにマッチする人材である可能性が高いと考えました。
会社拡大とともに、文化継承や理念を体現できる次世代のリーダー層採用が可能になると思いました。
実際の採用活動とは?
どのようなポイントを面接で重要視していらっしゃったのですか?
弊社で大事にしている採用の考えは、「共感型採用」です。
本人も気づいていないだろう、「根深い根幹」の部分を深いところで、本当にお互い共感できるか?を大事にしています。
- 今までどんな人生ストーリーを歩んできたのか?
- 今まで意識的にも無意識的にも、どんな意思決定をされてこられたのか?
- そこにはどんな価値観が根付いているのか?
- さらに、その価値観にはどんな願いが込められているのか?
など、「これでもか」と言うくらい向き合うことを意識しています。
「こんなシステムを作りたい」「こんな技術力を身につけたい」という方も多くいらっしゃるかとは思いますが、弊社では「技術力を通じてどのようにお客様へ価値貢献していくか」という考え方なので過去の経験から形成された価値観など、ご本人が今まで築き上げてきた人生と自社のマッチングを見ています。
価値観をどんな形で情報発信されていらっしゃいますか?
正直なところセミナーを聞いたり、HPを見ただけだと本当の志望動機は書けないと思っています。
そのため弊社では、代表セミナーにて社会課題の大きな括りの中で、ITと教育事業で課題解決をしている旨を伝えています。
その後、人事よりより詳しい会社説明を行うのですが、ネット上に公開されていない情報のみの構成で、伝えています。
そのためか、ここ数年では同業他社との競合するよりも、同業他社の競合よりも、コンサル、教育機関やNPOなどを見ている方が集まるようになってきており、採用成功につながっています。
入社後の体制とは
共感型採用に振り切れる教育体制とは?
私たちは、東京ITスクールというエンジニア教育事業を行なっており、新入社員の方には同様の研修・教育を受けていただけるので、未経験でも安心してチャレンジしていただけます。
また、ただ技術を学んでいただくだけではありません。
「自立型人財」の育成を研修テーマに、技術力・社会人力・しっかりとしたスタンス(土台)を持った人材育成を目指しております。
社会人としての軸を作ることがもっとも大切だと考えております。
研修自体は座学を3ヶ月受けていただいた後、チームを組んで実践まで、手厚く育てる体制をとっております。その中で、ご自身の得意不得意を見つけていただき、今後のキャリアを見据えていけるようにしております。
実際、貴社でのキャリアはどのような事例がありますか?
開発と教育業務を2-3年ほどで、両方経験していただきます。ただ開発だけができるではなく、根本の「顧客課題は何か?」を引き出していただく力を身につけていただきたいと思っております。
実際には、エンジニアでプロジェクトマネージャーを目指される方もいれば、技術力に特化する方、講師としてスクールで登壇しているメンバーもいます。
各々、自分の能力が活かせる環境で、可能性を広げてもらうようにしています。
入社後の定着率が高いとお伺いしましたが、秘訣はどんなところにあると思いますか?
まず私が実施したのが「どんな方に入ってきていただきたいのか?」を言語化しました。
特に新卒採用では、3つほどに要点を抑えて進めていきました。
やはり「教育」というワードは他社にない点でしたので、差別化を図ることにも成功しました。
そして採用へ落とし込んだ際に、当社が考えたのが「共感型採用」です。変わることのない理念や価値観へ共感していただいた方を採用することによって、カルチャーマッチし結果的に定着率が高まったと思います。
最後に
松山様が人事として大切にしていることとは?
私は、これまで多くの方と面接を繰り返してきましたが、「一隅を照らす」という言葉を大事にしています。
これは人事どうこうよりも私の生き方がベースにあります。
未来の仲間たちに光を照らす、背中を押していくことが自分のなかでやりたいことなんですよね。手段としての人事はそれと一致していまして、またそれと会社の理念が一致している。
間違ってなかったなと思うここ7年間でした。
世の中の採用活動を見てみると、残念なことに、無理なクロージングが多いなと感じます。
人事の肩書を横に置いて、個人の生き方として応募者としっかりと向き合っているのかとちょっと疑問を感じます。
もし弊社にご縁がなかったとしても、少しでも弊社の選考を受けて良かったなと思ってもいただきたいですし、選考に関わったからにはその方の成長に少しでも寄与したい、そんな想いで携わっています。
あらゆる人事がそんな考えで行ったら採用業界は今まで以上に面白くなると思います。
まとめ
- 人材採用・教育を最重要経営課題とし、採用の目的を明確にする
- 自社にマッチングする人材とは?を言語化する
- 向き合い、根深い根幹まで知ることで、本当のマッチングができる=定着率の向上
松山様、今回はありがとうございました!!
ぜひ、参考にしていただければと思います。また研修や教育に関してお悩みのご担当者様は一度、東京ITスクールを運営しているシステムシェアードさんへご相談ください。