ベンチャー企業は抑えておくべき?!共感採用を導入する重要性についてご紹介

昨今さまざまな採用活動があり、自社の採用について見直す人事が増えてきています。またリモートワークの普及により、経営面ではどのように社員の生産性を高めるのか、どのように帰属意識を持ってもらうのか、採用においては、面接で何を押さえて評価しようかなど、頭を抱える方も多くいらっしゃると思います。

今回は企業の求心力を高める「共感採用」についてご紹介していきます。

共感採用とは?

共感採用という言葉は一度は耳にしたことあるのではないでしょうか?具体的には、企業理念やビジョン、価値観に対して「共感」しているか否かを重要視した採用方法となります。新卒採用では、スキルや経歴がない分ポテンシャルと同様に共感の度合いで図る企業も多いです。

企業の業界・ビジネスモデル・職種・給与・制度などではなく、ビジョンや理念に共感しているかどうかを判断基準に置くことによって、事業のピボットや人事異動など変化があっても、会社との繋がりを強めることができる点で、取り入れられている企業が大半です。

共感採用が大切な理由

なぜここまで共感採用が大切なのでしょうか?理由はいくつかありますが主に下記のような事柄があげられます。

価値観の変化

まず1つ目が「働き方に対する価値観の多様化」です。終身雇用の崩壊や働き方改革、リモートワーク、副業の推奨など「働き方」だけでも、ここ数年で大きく変わりました。その上で現代の20代〜今後の若手層は、「モノ」よりも「コト」へと推移しています。経験や時間に価値をおく世代となり、企業選びも「給与」や「業界」などではなく「価値観」や「やりがい」へ移行していると言われています。

また自身の存在がどのような価値をもたらしているのかが大切になってきます。企業が思っているよりも、SDGsや社会貢献性に興味のある方が増えていることも価値観の変化と言えるでしょう。

ビジネスモデルの変化

2つ目が「ビジネスモデルの変化」です。日本を支えた高度経済成長期では、日本の製造技術が世界より評価され、今の大企業となりました。「モノ」を開発し、大量生産し消費することで日本の経済及び企業が大きくなり、世の中が便利になりました。しかし便利になった分「モノ」が飽和状態にあります。

現在新しいビジネスモデルやサービスを生み出すことは容易でなくなってきたため、社会課題や困ったことから想いを持って、事業やサービスを展開する企業が増えてまいりました。そのため事業やサービスが「モノ」に依存するわけではなく、「想い」を具現化しサービスとして世の中に出すため、候補者に対しても同様に「想い」を求めることで、ミスマッチを減らしています。

組織の在り方の変化

従来の日系企業は「年功序列」で「専門職」と「総合職」という形で雇用することが、慣習的でした。しかしIT化やビジネスモデルの変化により職種が多様化しました。そのためジェネラリストよりもスペシャリストの需要が高まってきております。その分、組織の中の属性が多様化してきております。

となると人事評価制度や給与形態、役職なども複合的になります。そういったダイバーシティ化した組織をまとめる、率いるために、ビジョン(理想像)やパーパス(目的)ドリブンすることで、舵取りできるようになります。

共感採用を成功させるポイント

共感採用を行うにしても、どのように設計すればと思う方もいらっしゃるかと思います。そういった方向けに、抑えておくべきポイントをご紹介してまいります。

まずは「想い」を言語化する

やはり共感を得るための「想い」を言語化していきましょう。ビジョンや理念、サービスのコンセプトなど、全ての「コト」には背景があります。なぜ企業したのか、なぜこの事業にしたのか、なぜこの理念なのか、なぜこのビジョンを目指すのか、などを整理することで、会社の魅力を知ることができるようになります。

このような情報を整理しておくことで、採用活動や組織としての軸を作ることができます。

ストーリー性を持たせる

「共感」を得るためには、ストーリーが大切です。特に理念やビジョンは抽象度が高いため、咀嚼をさせることでより一人一人に伝わりやすくなります。またストーリーを作ることで得られる効果として、聞き手の受け取り方が変わるためです。

ストーリーテリングという言葉はご存知でしょうか。

伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる印象的な体験談やエピソードなどの“物語”を引用することによって、聞き手に強く印象付ける手法のことです。抽象的な単語や情報を羅列するよりも、相手の記憶に残りやすく、得られる理解や共感が深いことから、企業のリーダーが理念の浸透を図ったり、組織改革の求心力を高めたりする目的で活用するケースが増えています。(2010/12/20掲載)
出典:『日本の人事部』人事労務用語辞典について

ストーリーがあることによって、情報やキーワードだけの記憶だけではなく、情緒へも訴求できるためインパクトが起こりやすのではないでしょうか。

共感度合いを図る面接を構成する

淡白な面接だと自社の理念やビジョンにどれくらい共感できているのかを図ることは難しいです。履歴書などを用いて話を聞くだけではなく、もう一歩踏み込んだコミュニケーションをする必要があります。

特に候補者の原体験などを深掘り、それがどう理念・ビジョン・価値観と共感できているのかを知ることで、口先だけではなくその人の共感度を測ることができるようになります。

特に新卒採用では効果的!?

新卒採用において、評価基準が作りづらいやポテンシャルで見るポイントを押さえられないといったことがありますが、自社に対してどの程度共感できているかをポイントとして押さえることで、ミスマッチを防ぐことに繋がります。

候補者の原体験より、どのような観点で理念やビジョンに共感できるのかを深掘りしたり、一緒に探していくことにより、自社への志望動機が明確になる上に、意向をあげることも可能になります。

共感採用を取り入れている事例

以前インタビューさせていただいた、株式会社システムシェアード社では共感採用を取り入れてから、離職率を8%まで引き下げることができたとおっしゃっておりました。実際の質問項目などもお伺いしましたので、是非記事をご覧ください。

詳しい記事は以下より!

【事例紹介 Vol.3】離職率8%!共感型採用の実態

まとめ

共感採用についてはいかがでしたでしょうか?
時代の変化に伴い、事業やサービスが変遷していっても変わらないことは「理念」「ビジョン」です。ここへ共感した人材を社員として雇用することで、求心力を高めて「離職防止」や「優秀人材の雇用」につながります。また採用市場でも差別化を図ることができ、一石二鳥です。ぜひご検討ください。

稲葉 愛採用コンサルタント

株式会社HR teamの内定者として長期インターンを1年半実施し、同社に入社。インターン生時代から採用コンサルタント業務の部署立ち上げを行い、年間100社以上の採用のコンサルティングを実施。現在は、株式会社HR team全体の法人営業部門の立ち上げを行い、新卒採用だけでなく、インターン、中途採用など多岐にわたる採用に関するコンサルティング業務を行う。

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