採用始める前に必ず準備が必要!採用戦略を立てる具体的な5つの方法

今回は採用戦略の立て方をご紹介していきます。採用活動をする上で、ある程度計画を立ててスタートするのですが、何をやればという方向けにご紹介していきます。

また採用計画を立てる前に採用の目的を改めて認識しておきましょう。

採用する目的は必要?現役採用コンサルタントが語る採用成功のために必要な採用する目的の考え方

採用戦略とは?

採用戦略とは、部署・職種・期日・ペルソナ・人数を事業計画や経営計画に沿って、戦略的に採用していくことを指します。ここからわかるように、事業や会社拡大の計画に対して達成するため、会社としても重要な役割を担っていきます。中長期的な計画を立てている会社であれば、3カ年、5カ年での採用戦略を建てる必要があるでしょう。

採用活動をする上でどうしても人数に目が行きがちですが、採用成功とはミスマッチなく活躍し、定着することの方が重要のため、改めて社内のニーズや重要ポイントを抑え計画することがとても大事です。

なぜ戦略が必要か?

採用戦略とは採用活動における「軸」となります。どのような方針・指針で採用活動を行うのか、意思決定の基準にもなります。

前述した通り、採用活動は会社の成長や事業拡大に直結する経営の中でも大きな立ち位置にいます。ですが、採用市場は現在「売り手市場」と呼ばれ、求職者よりも求人数が多い状況です。また採用だけではなく、育成・定着・活躍などもきっては切り離せないキーワードになります。

逆に施策から走り出してしまうことによって起こりうるリスクとしては、採用確率が下がる可能性が上がることです。例えば、採用ターゲットの共通認識がなされておらず、選定ツールのターゲット含有率が低く接触が見込めないことや、ある程度人数が集客できたにも関わらず、歩留まりが悪くなるなど、スポットスポットでの落とし穴が見つかるでしょう。また場当たり的な施策やアイデアにより改善策が的確でないことも想定されます。

要は採用活動において、活躍する人材の採用や教育体制などから逆算し、どのような方を求めるのかを決めることで、より会社をスケールさせる鍵になります。

しかし求職者も多くの会社から1社を選ぶため、会社は選ばれる努力をしなければなりません。また、待っていればターゲット層を採用できるわけでもありません。

そのため、自社に必要な項目を言語化し、どのようにして採用に繋げるのかを戦略立てすることは、今後の採用活動では必須になってくるでしょう。

採用戦略を立てる前に必要なこと

採用計画を立てる前に以下の情報を収集してから、始めると計画が立てやすいです。

事業計画や経営計画を知る

前述したように、まずは事業計画や経営計画を知ることが大切になります。例えば上場を見据えている会社であれば、ある程度明確なの売上高の目標が設定されていますが、現人員のみで達成できるのか、仮にできないのであれば1名あたりの生産性を算出し、どれだけ雇用することで目指せるのかが見えてきます。

また将来的な年齢比や構成人員などより、必要な人材の割り振りを行うことにより、採用活動の中でもどのような人材を迎え入れるのかが明確になります。併せて事業や組織に、ポジションによって必要な要件が変わるため、現場と経営陣とすり合わせをし、求める人物像を選定します。

中小企業では組織の空洞化として、中間管理職以下のメンバーが少なく、将来的な不安より新卒採用を実施を検討しているご相談をいただくことも増えてまいりました。

このようにどのような人材で組織が構成されていて、必要な人材はどのような人なのかを知ることが大事なります。

自社を知る

今まで行ってきた採用活動の振り返りをしましょう。採用テーマや求める人物像、利用ツール、また採用における課題はどこに合ったかなど、データや資料などから調べておくことで、自社の採用においての弱みを知り、改善をかけることで採用活動が円滑に進むようになります。

採用活動単体だけではなく、入社後も振り返る必要があります。
配属先の部署と連携し、足りなかった要件はないか、必要な要件はあるか、活躍できているかなどヒアリングしておくことで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

また自社の強み・弱みを把握しましょう。サービスや製品同様、他社との違いからセールスポイントと弱点・課題点を出すことによって、会社そもそもの改善なのか、打ち出し方なのか、ターゲットに対してどのように訴求するべきなのかを知ることができます。過去の採用活動のテーマや訴求点から、どのように意思決定してご入社いただいたのか、どんな方が入社しているのかを知ることで、自社のポイントを抑えることができるようになります。

このように、まずは自社の採用活動について振り返り課題について把握しましょう。

採用市場や競合他社を知る

採用市場は年によって変わります。新卒採用であれば、早期化が進み就活生の活動時期にばらつきが出始めています。また利用するツールも異なるため、いつ頃から始めることがベターなのか知りましょう。中途採用でもシーズンによって、市場に現れる人材が異なるため、もし採用活動するのであれば、どの時期に注力するべきか決めておくことができます。

加えて、競合他社の動きを知ることも大事です。競合調査というと同業他社を意識することが多いと思いますが、採用市場では同業種だけが競合とは限りません。

業種や職種もそうですが、勤務地や採用などによっては、全く異なるビジネスモデルの会社でも、バッティングする恐れがあります。そのため、どのような手法どのようなターゲットに絞って採用活動をしているのか、他社の採用人数や賃金などを把握することが、採用計画を作るうえでは大切になってきます。

具体的な戦略の立て方とは

ここまでは事前に必要な情報整理と認識をお伝えしてきましたが、改めて採用計画を具体的に立てる順序をお伝えしていきます。

採用の枠組みを立てる

採用の枠組みとは、どんな人材を何名ほど、どれくらいのコストで採用するかです。事業計画に則った採用活動をするためにも、求める人物像を各部門ごとにすり合わせをしましょう。

ただしここで大事になるのは、具体的な評価基準をヒアリングし、共通認識を持つことです。
例えば、「コミュニケーション能力」一つをとっても、高い・低いとなる基準が個々で異なってしまうと、誤って不採用にしてしまうこともあります。

加えて全体の採用予算を把握しておくことも大事です。コストを掛けずに採用するとなると、手段が限られてきますので、ある中で最も高いパフォーマンスを出せるような採用ツールを検討しなければいけません。

選考フローの策定

選考フローとは、候補者を理解し合否を行うことです。書類選考・適性検査・面接など、様々な手段で候補者が自社と合うのか、また理解してもらう機会となります。ここで大事なことは、ストーリー作成です。

近年少子高齢化に伴い、働き手の雇用状況は売り手市場と言われています。要は候補者1名あたりの内定数が増加しており、最終的に自社が選ばれるように、選考フロー内でも自社の魅力を感じていただけるような、意図をつくることがストーリー作成です。

スケジュール立て

入社予定月や競合他社の動きから、採用時期をいつに行うのか逆算して決めていきましょう。中途採用ではおおよそ3ヶ月毎にクール分けをし、動く会社が多いようです。また、新卒採用であればある程度スケジュールが決まっているものの、採用の自由化が進み、早い時期からの接触などを行っている会社も増えてきています。

その中で採用ターゲットと多く接点を作れそうな時期に焦点を当て、それまでの事前準備を行いましょう。

自社の情報整理

自社の採用活動や経営計画だけではなく、自社の訴求ポイントや競合他社との差別化を図る必要があります。ここで自社の情報を整理しておくことで、採用広報としての情報発信や、説明会での訴求、採用ピッチ資料の作成などに役立ちます。

また言語化しやすいものと言語化しにくいもので分けておくことも大事でしょう。
言語化しやすいものでいうと、会社の成長率や売上高、福利厚生や制度・キャリアやロールモデルなどに当たります。言語化しにくいものでいうと、理念やカルチャー、社風や働く人、モチベーションややりがいなど、定性的なものは魅力つけに必要なものの、イメージしてもらうことが大変ですので、伝える手段を変えていく必要があるでしょう。

採用ツールの選定

ある程度枠組みが見えてきた際に採用ターゲットとなる人材を、どのような手段で採用をするのかによって変わってきます。前述したように採用予算によってはツールが限られてくるため、採用人数・ターゲットに応じてもっとも効果のありそうなものを利用する必要があります。

また採用時期によっても効果が変わるため、様々な視点を持ちフィットするツールを選定しましょう。

注意点

採用戦略の立て方は一通り説明させていただきましたが、計画や戦略は完璧でもその通りにいかないこともしばしばです。そのためには以下の点を注意しておきましょう。

リソースの確認

採用活動において、打ち手や施策が多ければ多いほど効果はあると思います。しかし、立案数が多くなり、その全てを実行するだけの人員不足に陥るケースがあります。その場合、手が回らず終いで思うような結果に繋がらないということがあります。

また各フローごとの推定対応人数などを考えておらず、面接官の時間が足りなくなることや日程調整等の対応が遅くなってしまうといった場合もあります。

自社のリソースの範囲内で、ハイパフォーマンスが可能な戦略が必要でしょう。

リスクヘッジ

蓋を開いてみないとわからないのが、採用活動です。思ったより母集団形成がうまくいっていない、想定よりも選考通過数が足りていない、そもそも承諾者が目標人数に至っていないなどといったこともあります。

その場合によくあることが、予算を使い切ってしまったため他の施策が立てれないというケースです。また状況に応じて、追加予算が出るまで現状維持で活動を継続していかなければいけないということもしばしばあります。

採用活動において時期感はとても大切で、後発的になればなるほど市場に人はいなくなってしまいます。計画段階で、時期に応じた施策とショートしてしまった際のリスクヘッジを検討しておかなければ、いざというときには採用が困難になってしまいます。

あらかじめ、うまくいかなかった場合のことも念頭に計画を立てることをお勧めします。

短期的施策と長期的施策の整理

採用活動をする上で、短期的に効果が出る施策と長期的に効果が出る施策があるため、選定した施策がどちらに当てはまるのかを整理しておきましょう。

長期的な施策としては、採用広報やリファラルリクルーティング、学校などとのコネクション作りなどは、コストダウンできるものの即効性のある施策とはなりにくいです。緊急性の高い採用活動やスケジュールが決まっている採用活動においては、不向きになってしまいます。

逆に短期的な施策としては、求人広告やダイレクト・リクルーティング、人材紹介など、既に採用市場にいる人へアプローチする施策は、採用に繋がりやすいですが、全て実施するとコストが高騰化する恐れがあります。

2軸を併走させることで、短期・中期・長期的に採用活動が可能となり、自社の基盤を作ってくれるため、改めて整理をしていきましょう。

人事戦略、タレントマネジメントも行う必要がある

単に採用戦略を立てたからといって、企業や事業がスケールするとは限りません。採用活動だけで戦略を立てて、採用人数や思うような人材を無事入社に迎えられたからといって、成功ではありません。

数年後の会社がどのような規模、どのような事業や業務があるかはわからないからこそ、任せている業務や期待する職務までを想定する必要があります。

また仮に採用した職種での活躍が見込めないといったリスクもあるため、限定的な採用活動よりも、幅を利かせた総合職のような採用の方がタレントマネジメントしやすいでしょう。

まとめ

採用市場は常に変わっていくため、常に採用手法は変えていかなければいけないでしょう。その中でブラしていけないものが採用計画です。軸となる採用計画があることで、正しいツールの選定ができ、採用成功につながるでしょう。

稲葉 愛採用コンサルタント

株式会社HR teamの内定者として長期インターンを1年半実施し、同社に入社。インターン生時代から採用コンサルタント業務の部署立ち上げを行い、年間100社以上の採用のコンサルティングを実施。現在は、株式会社HR team全体の法人営業部門の立ち上げを行い、新卒採用だけでなく、インターン、中途採用など多岐にわたる採用に関するコンサルティング業務を行う。

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