はじめに
インターンシップに参加した学生は、即戦力になる可能性が高く、正社員雇用をしたい企業も多いでしょう。
インターン採用ではほかにも職場に馴染みやすい、研修が必要ないなどのメリットがあります。
ただ長期のインターンシップに参加する学生は少なく、採用する幅が狭いのはデメリットでしょう。
またインターンシップに参加した学生を迎えるなら、その後の成長を促す教育も必要です。
ぜひインターン採用のメリットやデメリットを踏まえ、優秀な人材を社員として迎えましょう。
インターン採用とは?
インターンシップは、就業前の学生が就業体験に参加することを指します。
企業側も学生が業務内容を知っている状態で採用ができるため、メリットが大きくなります。
インターン採用の募集方法には、求人サイトなどに広告を載せる、縁故採用などがありコストを抑えるためにも有効な手段です。
求人サイトなどの掲載には載せるだけで有料になる場合と、採用が決定したときに利用料がかかるタイプ(成果報酬型)とに分かれます。
成果報酬型の場合、採用人数が増えると利用料も増える点には注意が必要です。
インターンで雇用し、最終的に正社員雇用につなげること
インターン採用では、長期インターンシップを経て雇用した学生をそのまま正社員として採用可能です。
正社員採用の募集をかけるインターンシップは、内定直結・正社員登用ありなどと記載することも多いでしょう。
その場合短期のインターンシップは、正社員に向かないこともあります。
もし正社員雇用につなげたいなら、長期インターンも条件の1つになります。
長期インターンからの正社員雇用が多い理由は、実務経験があるからです。
また即戦力にもなるインターン生は、1から業務内容を説明する必要がないのは大きなメリットでしょう。
もし正社員につなげるためにインターン生を雇うのであれば、正社員登用などと記載すれば意欲の高い学生も集まります。
インターン採用のメリット・デメリット
インターン採用ではメリットと同時にデメリットも確認して、広告費用などを抑える工夫が必要です。
長期インターンには「内定直結型」が多く、そのまま就職につながるのは企業側にとっても、求職者にとってもメリットになります。
企業がインターン採用をする理由は、優秀な人材を確保できる・即戦力として雇用できるからです。
以下にインターン採用における企業側のメリットやデメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
メリット
インターン採用の企業側のメリットには即戦力を確保できる点、ミスマッチを防げる点・社内の人間関係に馴染みやすい点などがあります。
特に長期インターンを経た学生などは、すでに業務内容がわかっているので即戦力になるのはメリットでしょう。
また周りの環境にすっと溶け込めるのも、長期インターンに参加した学生ならではのメリットです。
短期インターンも有効ですが、即戦力になるのは長期インターンに参加した学生の方でしょう。
まずはインターンの期間も確認し、企業にマッチした人材を見つけてみてください。
入社時に即戦力を確保できる
長期インターンシップを経た学生の魅力は、すでに実務をこなしているため研修の必要がない点です。
入社後でもすぐに実務をこなしてくれるので、即戦力となってくれるでしょう。
インターンシップの最中に社員の補助業務などを経験していれば、社員に必要なスキルもすぐに身につきます。
学生側もすぐに就職できれば自身のスキルアップにつながるなど、企業側にも学生側にもメリットは大きいでしょう。
意欲のある学生が入社すれば、すぐに社員と同じ裁量で働けます。
インターンシップを経験した社員であれば教育も研修も必要ないため、企業側のコスト削減にもつながります。
そのためインターンシップ自体が研修の代わりになってくれるのは、大きなメリットでしょう。
採用時のミスマッチを防げる
インターン採用では実際に働いているため、社風や働き方などを事前に経験した学生を採用できます。
そのため企業側と学生側のミスマッチを事前に防げるのです。
インターンシップの最中に、学生側は実際の業務に触れられるうえに、社員と関わりをもてます。
もし長期インターンシップに参加した学生であれば、社風にも理解があるでしょう。
「こんな企業だとは思わなかった」などの離職も防げます。
お互いのミスマッチを防ぐ意味でも、インターンシップの経験があるかないかは大きな差となるでしょう。
ミスマッチを防げれば、長く働いてくれる社員を獲得できます。
すでに組織に馴染んだ状態で入社できる
インターン採用のメリットは、学生自体が仕事を通じてさまざまな社員とすでに関わっているため、組織に馴染んだ状態で入社できる点です。
学生側にしてみても、企業の理解度が高まった状態で入社できるので、安心感があります。
長期インターンシップに参加していない学生は職場の雰囲気や業務の内容、人間関係も知らないままで入社します。
そのため離職率も高くなり、企業側にとっても損失は大きくなるでしょう。
学生の離職率を左右する要素の1つが、職場の雰囲気です。
もし離職率の低い学生を採用したいのであれば、長期インターンシップに参加した学生の方が、長く働いてもらえる可能性も高いでしょう。
デメリット
メリットも多いインターン採用ですが、デメリットも把握しておかないと企業にとって負担が増える可能性もあります。
インターン採用時のデメリットは、採用できるとは限らない点があります。
さらにインターンにかける工数が増える可能性、採用できる学生の幅が狭まる点などです。
インターンシップに参加した学生であっても、受け入れ体制が整っていないケースや指導する社員の確保など、問題も多々あります。
どういったデメリットがあるかを知ったうえで、インターン採用にするかどうかを決めましょう。
採用できる確約はない
インターンから正社員として雇用したいと考えても、学生自身が入社したいと思わなければ採用にはいたらないでしょう。
そのためインターンシップに参加した学生でも、採用の確約ができない点は注意が必要です。
インターン採用は、そもそも採用するための手段ではありません。
選考プロセスにしている企業も多いものの、採用選考とは別物として考える必要があります。
インターンシップに参加した学生であっても、職場の雰囲気が合わないなどの理由で入社しない可能性もあるからです。
学生側では、インターンシップが必要条件と考える人も多いでしょう。
しかしインターンシップの内容いかんでは、入社を渋るケースもあります。
採用できる確約はありません。
欲しい人材であった場合は、社内環境を整えるなどの工夫が必要です。
インターンにかける工数が増える
インターン採用では、長期インターンとして事前に雇用しなければなりません。
教育やマネジメントなどの工数などが、採用する前に負担となるケースもあります。
学生のインターンシップには管理者が必要なこともあり、社員の工数が増えるといわれるのは仕方ないでしょう。
ただ入社後の研修を前倒しでやっているため、厳密にいえば工数は増えていません。
しかし、マネジメントに対する工数が増えるのは避けられない問題です。
工数を前提にインターンシップを実施しないと、社員の負担は大きくなるでしょう。
またインターンシップで学生のケアが十分でないと、満足度も下がり採用できる人数が減る可能性もあります。
選択の幅が狭まる
そもそも全学生の3%ほどしか参加していないのが長期インターンの現状です。
そのため新卒採用とは違い、採用できる学生の幅は狭くなります。
インターンシップに参加する学生は、目的や責任感の強さなどがアルバイトとは違う点です。
ただアルバイトの経験がある学生は7割を超えるにもかかわらず、インターンシップに参加する学生は少ないのには理由があります。
長期インターンシップではスキルの習得可能ですが、半年は参加しなければならないからです。
時間的にも余裕がある1年生は、就活に関する意識が低い傾向にあります。
逆に意識が高まる3年生は、企業説明会の参加や面接練習などで忙しい時期です。
そのため長期インターンシップに抵抗がある学生も多く、選択の幅は狭まります。
インターンから正社員として採用をする方法
長期インターンシップに参加した学生を正社員として採用したいなら、企業側の努力も必要です。
たとえば入社したいと思われるような魅力的なコンテンツの準備、成果に直結する教育の実施などがあります。
さらには新卒採用とは違う、特別な待遇を用意するなどがあります。
インターンシップを経験した学生は、即戦力になる可能性も高く、企業としても欲しい人材でしょう。
ただ応募を待っているだけでは、求職者が集まることはありません。
まずはインターン生の応募が増える対策を練る必要があるでしょう。
インターンで入社したいと思ってもらうコンテンツを準備する
インターンシップに参加した学生を呼び込むなら、まずは採用サイトを作り込むことからはじめましょう。
インターン時にその会社に入社すれば、楽しそうと思ってもらえるような状況を作る必要があるからです。
仕事以外の時間共有や仕事時のコミュニケーション量なども、コンテンツとして載せましょう。
サイトを訪問するのは企業に関心がある証拠なので、企業の求人要綱にマッチする可能性も高くなります。
ただそこで採用サイトが作り込まれていないと、企業の魅力がしっかりと伝わりません。
採用サイトのコンテンツを魅力的にするためにも、基本的な求人情報だけではなく動画などで魅力を伝えましょう。
その際には採用するターゲットを明確にし、サイトを作り込むのがポイントです。
インターンとして成果をあげる教育の実施をする
インターン採用では会社の雰囲気に合っていたとしても、所属する会社で成果をあげてくれるとは限りません。
即戦力を期待して採用するわけですから、成果があがらなければインターン生から採用する意味もなくなります。
そのため成果をあげられる教育は、インターンの時に必ず実施するようにしましょう。
インターン採用した社員の成果をあげる方法には、スキルアップしたことをわかりやすくする、社内の情報ツールで成果を報告するなどがあります。
成果のステップが明確になれば業績もわかりやすく、働き甲斐のある仕事として映るでしょう。
成長を促すには成果をあげたことがわかるようにするのが一番です。
小さな成果でも認めてあげることで、社員の成長速度も上がっていくでしょう。
新卒採用とは特別待遇を準備する
いくら新卒一括入社といっても、インターンで成果をあげている、また研修も必要がないなどは企業側のメリットです。
そのためインターン採用された社員の待遇は、ほかの新卒社員よりもよくしておくことが大切です。
特に理系に多い特別待遇ですが、昨今では文系の分野でも特別待遇をする企業が多くなっています。
特別待遇は特別選考とは違い、インターンシップへの参加が根本にあります。
特別待遇があるからと、インターンシップに臨む学生も多いでしょう。
インターン採用では即戦力になる可能性がある分、特別待遇を用意しておかないと学生側はメリットを感じなくなります。
あからさまに待遇をよくする必要はありませんが、ある程度の特別感は必要です。
まとめ
今回はインターン採用の意味やインターン採用で得られるメリット、またはどんなデメリットがあるのかなどをご紹介しました。
インターン採用ではインターンシップに参加した学生が相手なので、企業側にとって即戦力になるなどのメリットがあります。
ただインターン採用では、社員の工数が増えるなどはデメリットになります。
インターン採用の魅力はほかにもあるので、ぜひ正社員として採用できるようにポイントを押さえてみてください。