近年採用活動を行うにおいて、リファラル採用は欠かせないキーワードではないでしょうか。リファラル採用は仕組みや文化が構築できれば、親和性の高い社員を採用できる上に費用を抑えることができるため注目されてきております。とはいえ、どのように社内を巻き込めばよいのか気になる方もいらっしゃると思います。
リファラル採用について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
今回のインタビューでは、HeaR株式会社 代表取締役 大上様にリファラル採用のフレームワークについて取材させていただきました。
HeaR株式会社とは?
HeaRは、「青春の大人を増やす」をミッションに掲げ、採用マーケティング支援、HRtechサービスの開発を行なっております。日本人の仕事満足度が低いという社会課題を解決するため、華金の愚痴をなくすため、私たちは“働く“に向き合い、事業を展開していきます。
インタビュー協力者
代表取締役社長 大上 諒
2016年、コンテンツマーケティング支援のサムライト株式会社に入社。同社で30社以上のメディア運営に携わったのち、新規事業の責任者として複数の事業立ち上げに従事。2018年にシニアル株式会社を設立。2019年7月に「HeaR株式会社」に社名変更。以降、「青春の大人を増やす」をミッションに複数のHRサービスを展開中。
リファラル採用のフレームワーク
当社では、会社創業当初よりリファラル採用を行ってまいりました。既に2名がリファラル採用により仲間になっております。従業員比率でいうと約15%で、現在も継続的に実施しております。いくつか大切にしている点があるのですが、紹介前・紹介後で分けて説明していきたいと思います。
紹介前
紹介前に行っていることは2つあります。
紹介ハードルを下げる
リファラル採用を行う上で「会う・紹介する」ことへのハードルの高さを課題と感じられる方も多いかと思います。そのため、ハードルを下げて会っていただきやすくすることを心がけています。実際に当社では「焼肉屋」でご飯を食べながら、キャリアの相談に乗ったり、改めて自社についての理解を深めていただいたりしております。
「焼肉屋」を選んでいる理由は2つあります。1つ目は、あえてリーズナブルな焼肉屋を提示することで気負わずに参加していただきたいため、2つ目は、大企業ではなくスタートアップだからこそ等身大の姿を見せたいためです。
採用ポジションの共有
弊社では現在3事業を行い、各部門によって採用ターゲットが異なります。そのためNotionを利用して、職種・業務内容・必要なスキルを社内共有し、随時確認が出来るようにしております。
番外編
弊社では定期的に「リファラルタイム」というものを設けております。Facebook・Twitter・LINEの繋がりの中から一緒に働きたい方を紹介し合う時間を作ることで、リファラル採用を習慣化しております。
紹介後
代表面談
初回面談は私がお会いしております。事前に採用ピッチ資料をお渡しした上で、候補者の方が気になる点を具体的に説明し不安を解消しています。また、候補者の方のキャリアに対する価値観についても伺い、双方の考えのすり合わせをしています。
採用ピッチ資料に関しては、こちらをご覧ください。
大事にしていることは、企業と個人がWIN-WINの関係を築けるかです。企業として仲間を集める理由は、事業成長・事業課題の解決のためであり、個人としてはご自身のキャリア課題の解決のためだと思います。その凹凸が合致することが採用において重要なことです。
そのためには、会社について話すだけではなく、候補者の方のキャリアにおける課題が何であるのか?そして、それが自社であればどう解決できるのかを細かくすり合わせるようにしています。
また代表面談を行う背景としては2点あります。
- アトラクト
- キャリア課題に対する幅広いソリューション
上記それぞれにおいて、会社の創業者だからこそ伝えられることが1番多いと自負しているので、代表自ら面談させていただいております。
また、キャリア課題を解決する上で、私が1番幅広いソリューションを提案できると考えているのも大きいです。現在、3つの事業を行っており、唯一私がすべての事業に関わっています。だからこそ、ご応募いただいた際の職種以外でも活躍の可能性があればご提案ができると思っております。
例えば「事業A」のメンバーがヒアリングした際に「事業A」では合わないが「事業C」であれば合いそうとなっても提案ができない、一度確認をする必要があるなどを加味すると機会損失になってしまいます。そのため現在は私がフロントに立って面談を行っています。
メンバー面談
当社は熱く語れるメンバーばかりのため、実際の熱量や想いの部分を双方で確認する場を設けています。伝える内容の役割も敷いており、代表面談では遠い軸のワクワクを、メンバー面談では近い軸でのワクワクを伝えています。
私は会社のビジョンや将来の展望、会社の中長期的な目標を伝え、メンバーは実際に行っている業務や事業の成長、実務に近いところをお伝えしています。「遠い未来のビジョン」と「近い未来のビジョン」両方を伝えてワクワクしていただくようにしています。
もし不合格通知の場合は?
やはり不合格となると、候補者の方へ気まずさを感じてしまうかと思います。
実際に当社では、リファラル経由でお会いした方は30-40名ほどいらっしゃいますが、仲間になったのはたったの2名。それ以外の方は「ごめんなさい」となっております。
基本的には私が直接ご連絡を差し上げるようにしておりますので、現場メンバーも安心して繋いでくれているのかと思っております。
採用活動にて合わなかった施策とは?
前提として会社のフェーズもあるのですが、全社員が選考に入ることを辞めました。リファラル採用の場合、紹介者は一緒に働きたいと思って紹介してくれている分、最終的にみんなの意見でごめんなさいという結果になると紹介者の精神的負荷がかかると思い、取りやめにしました。
現在は代表の私と事業部長で最終的な意思決定を行うようにしております。
リファラル採用をうまくすすめるには?
結論、いい会社をつくることです。先日友人を紹介してくれたメンバーがいるのですが、今まで3社経験し「初めて紹介したいと思えた」と言ってくれたことはとても貴重な経験になりました。
僕自身の原体験にあるのですが、ツールやインセンティブ・ポスターなどで働きかけを行うだけでは「紹介」は増えないと思います。ご本人が働く上ではいい会社だけど知人を紹介するまでには至らないということや、上司との相性を気にして紹介を躊躇する方もいると思います。「紹介したいと思える会社」をつくることがリファラル採用への第一歩です。
いい会社とは?
いろいろありますが1つあげるとすると、事業や会社を通じて「青春の大人を増やす」ことはもちろん、自分たちも「青春」ができていることが「いい会社」だとご紹介いただく動機になっていると思っています。だからこそ、「青春の大人を増やす」この理念に共感いただける方を仲間に入れています。そして、このミッションを体現し続けることを大事にしています。
リファラル採用を取り入れる上で大切なこと
先程もお伝えしましたが「紹介したい会社になる」ことです。
当社ではいい会社を4Pのフレームワークを利用して、客観的に見た自社の足りない部分を改善し、アップデートしていくことを大事にしています。それを繰り返していくことで、資本市場・労働市場・投資市場から選ばれる会社に育てていっております。
4P分析(フレームワーク)とは?
■ Philosophy(企業理念・目的)
■ Profession(事業・業務内容)
■ People(人・文化)
■ Privilege(働き方・待遇)
詳細はコチラをご参照ください。
まとめ
HeaR株式会社 大上様インタビューにご協力いただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか?リファラル採用を計画するに当たり、仕組み化やインセンティブなど動機付けに目が行きがちですが、実は「理念共感」や「いい会社作り」が重要です。改めて従業員満足度や4P分析を行い、客観的にどういう会社なのかを理解するところからスタートしてみましょう。
またHeaR株式会社様では採用支援サービスを行っており、「母集団形成」や「候補者体験向上」のコンサルティング支援や運用代行など戦略立案から施策実行まで一気通貫の支援体制を行っていらっしゃるので、もしご興味があればHPよりご相談ください。